著者 : 森脇錦穂
草墳草墳
霊魂不滅への祈り 学生たちと民俗文化調査に訪れた南海の離島で,喪われた墓制の痕跡に触れ,シャーマニズム世界に分け入ることになる表題作他,市井に生きる人々の哀歓を描いた8編 ◉朝鮮通信使研究で知られる学者であり,韓国釜山を代表する文化人である著者の初の邦訳書 * * 草墳の中の遺体は数年が経過すると白骨だけが残る。数年後、吉日を選んで草墳を解体して骨を収拾し、棺の中に収める。この収拾した骨は本葬、つまりもう一度葬儀を行った後、永久墓に埋葬する。 村の年寄りたちは、人は死んでもあの世で新しく生まれ変わると固く信じている。新しく生まれ変わるためには、この世の穢れをすべて洗い落とし、綺麗にならなければならない。そのための最も重要な手順が、草墳葬だと信じられていた。─「草墳」より 「霊魂不滅」への思い──『草墳』の出版に寄せて[姜南周] * 風の島 キャプテン・パーカー 一人になった部屋 花札 鳥になる 風葬の夢 不在者の証言 草墳 付・なぜ書くのか * 訳者あとがき[森脇錦穂]
PREV1NEXT