著者 : 楊双子
全米図書賞受賞作家、最新作! 台湾グルメ×レトロ建築×女子共同生活 「あんたと一緒にいない日々は、とても寂しかった」 ワケあり住人たちが味わう未知の痛みと、百年前の台湾料理。 古い日式建築の女性専用シェアハウス・四維街一号。 一階は、BL作家の知衣と聡明でモテる小鳳、 二階は、苦学生の家家とシャイな乃云が住む。 酒呑み大家に見守られ、賑やかだった共同生活は、 百年前の台湾料理レシピの出現とともに、 ある家族の歴史と五人の孤独を溶け合わせていくーー いま最も注目される台湾人作家が贈る、忘れがたい台中ローカル食卓物語。 池澤春菜さん満腹! 「なんでこんなに懐かしいの? 四維街一号に、きっとわたしも住んでいた」
\ 第75回全米図書賞・翻訳文学部門(Lin King訳)受賞!/ \ 第10回日本翻訳大賞受賞!/ 炒米粉、魯肉飯、冬瓜茶……あなたとなら何十杯でもーー。 結婚から逃げる日本人作家・千鶴子と、お仕着せの許婚をもつ台湾人通訳・千鶴。 ふたりは底知れぬ食欲と“秘めた傷”をお供に、昭和十三年、台湾縦貫鉄道の旅に出る。 「私はこの作品を過去の物語ではなく、現在こそ必要な物語として読んだ。 そして、ラストの仕掛けの巧妙さ。ああ、うまい。ただ甘いだけではない、苦みと切なさを伴う、極上の味わいだ。」 古内一絵さん大満足 1938年、五月の台湾。 作家・青山千鶴子は講演旅行に招かれ、台湾人通訳・王千鶴と出会う。 現地の食文化や歴史に通じるのみならず、料理の腕まで天才的な千鶴とともに、 台湾縦貫鉄道に乗りこみ、つぎつぎ台湾の味に魅了されていく。 しかし、いつまでも心の奥を見せない千鶴に、千鶴子は焦燥感を募らせる。 国家の争い、女性への抑圧、植民地をめぐる立場の差ーーー あらゆる壁に阻まれ、傷つきながら、ふたりの旅はどこへ行く。