著者 : 櫻いいよ
高校2年の祈里は、体調が優れず伯父が働くクリニックに行くと、あと数年しか生きられない病気だとわかる。これまでの友人関係も、将来のために頑張っていた勉強も無駄になると絶望し、心の拠り所だったより江さんの家に向かう。すると、なぜか去年同じクラスだった春日井くんがいて、より江さんは祖母であること、さらに亡くなったことを知らされる。遺品整理を手伝ううち、どんどん彼に惹かれていくが、このまま好きでいていいのか、悩みは募るばかりでー。
学校からの帰り道で川に落ちたことをきっかけに、人間とは異なる見た目の“じゃない者”と、いわゆる人間“ひと”が共存する不思議な世界に迷い込んだ、中学1年生の冥。真っ黒な制服姿で突然現れた冥は「言い伝えにある、この国を滅ぼすカラスだ」と考えられ、この国の王族たちから命を狙われる身になってしまう。一緒に川に流されたはずの双子の弟・涅の行方を探すべく、冥はこの世界で出会った“じゃない者”たちや、奴隷の少年の助けを借りて世界を旅することになるが…。
「ずっとそばにいるよ」この関係は揺るがないものだと思ってた。中1のときに美輝の父親が突然亡くなり、寄り添ってくれた幼馴染の雅人と賢。美輝は父親が亡くなっても、ふたりを心配させないように笑っていた。高1になり雅人に“町田さん”という彼女ができ、三人の関係が変化する。そんなとき、町田さんが事故に遭ってしまい、昏睡状態に…。けれど彼女は、なぜか美輝の前に現れて…!?雅人のために何もできずに苦しむ美輝に「辛いときはとりあえず泣いとけ」と賢がそばにいてくれてー。美輝は賢とともに、町田さんの再生を願うが…。美輝は笑って泣ける場所を見つけ、一歩踏み出すー。切なくも感動のラストに誰もが涙!
優等生で人気者・澄香が入水自殺!?衝撃の噂が週明けクラスに広まった。昏睡状態の彼女の秘密を握るのは5名の同級生。空気を読んで立ち回る佳織、注目を浴びようともがく小森、派手な化粧で武装する知里、正直でマイペースな高田。優しいと有名な澄香の恋人・友。澄香の事故は自殺だったのか。各々が知る澄香の本性と、次々に明かされていく彼らの本音に胸が掴まれて…。青春の眩さと痛みをリアルに描き出す。
「涙」をテーマに人気作家が書き下ろす、スターツ出版文庫初の短編集。父親の死から数年後、初めて向き合う異母姉弟ふたりの葛藤を描いた『雨あがりのデイジー』(沖田円・著)、最愛の「彼」から思いがけず届いたラストメッセージで綴られる『君のかけらを拾いあつめて』(汐見夏衛・著)ほか、じっくりと浸れる7編を収録。何度も味わい読み返したくなる物語は、静かに寄り添い、心の奥底へと深く響いていく。そして苦しい日にも、切ない日にも、あなたをそっと、救ってくれるー。
家に帰りたくない爽風が、放課後足を踏み入れた学校の古い図書室。そこで爽風は見知らぬ男子生徒、笹木誠と出会う。「この世界の神様になりたい」と呟く誠の顔には、誰かに付けられたらしい青痣が。その理由を聞けないまま、爽風は誠と図書室でたびたび会い、心を交わすようになる。そんなある日、偶然手にした数年前の学校のアルバムに、誠の姿を見つける爽風。さらに誠の副担任だった教師から驚愕の事実を知らされてー。時間が交錯する不思議な図書室で、つながった二人の「今」。爽風は未来の“死”から誠を救えるのか。魂がふるえる感動の純愛ストーリー!!
父親と弟との三人暮らしを始めた女子高生の香月は、転校先になじめず孤独な毎日。ある時、隣に座る男子生徒のノートを間違えて開くと、そこにはたくさんのスイーツレシピが。「あの間宮くんが、ケーキ作り?」間宮立海は洗練された男の子。そんな彼の意外な秘密に驚く香月だが…。夜だけ開く喫茶店で、立海とたくさんのデザートを作りながら、祖母と母の手作りおやつを思い出す香月。ホットケーキ、プリン、いちご大福。誰かにおいしいと言ってもらうために。自分の居場所を見つけるためにー。思い出の味は、きっと幸せの味。あたたかい涙を誘う青春ストーリー!