著者 : 櫻田智也
昆虫好きの心優しい青年・魞沢泉。行く先々で事件に遭遇する彼は、謎を解き明かすとともに、事件関係者の心の痛みに寄り添うのだった…。ハンターたちが狩りをしていた山で起きた、銃撃事件の謎を探る「白が揺れた」。花屋の店主との会話から、一年前に季節外れのポインセチアを欲しがった少女の真意を読み解く「赤の追憶」。ピアニストの遺品から、一枚だけ消えた楽譜の行方を推理する「青い音」など全六編。日本推理作家協会賞&本格ミステリ大賞を受賞した『蟬かえる』に続く、“魞沢泉”シリーズ最新作!
ブラウン神父、亜愛一郎に続く、“とぼけた切れ者”名探偵である、昆虫好きの青年・〓沢泉。彼が解く事件の真相は、いつだって人間の悲しみや愛おしさを秘めていたー。十六年前、災害ボランティアの青年が目撃したのは、行方不明の少女の幽霊だったのか?〓沢が意外な真相を語る「〓かえる」。交差点での交通事故と団地で起きた負傷事件のつながりを解き明かす、第七十三回日本推理作家協会賞候補作「コマチグモ」など五編を収録。注目の若手実力派・ミステリーズ!新人賞作家が贈る、絶賛を浴びた『サーチライトと誘蛾灯』に続く連作集第二弾。
ホームレスを強制退去させた公園の治安を守るため、ボランティアで見回り隊が結成された。ある夜、見回りをしていた吉森は、公園にいた迷惑な客たちを追いだす。ところが翌朝、そのうちのひとりが死体で発見された!事件が気になる吉森に、公園で出会った昆虫好きのとぼけた青年・〓(えり)沢が、真相を解き明かす。観光地化に失敗した高原での密かな計画、街はずれのバーでの何気ないやりとりが引金となる悲劇…。事件の構図は、〓(えり)沢の名推理で鮮やかに反転する!第十回ミステリーズ!新人賞を受賞した表題作を含む全五編。軽快な筆致で贈るミステリ連作集。
「ミステリーズ!新人賞」から、これまで数多くの才能が登場してきた。圧倒的な筆力で恐怖と謎を描く美輪和音。緻密な構成と奇抜な設定で魅せる近田鳶迩。軽妙な語り口で贈るユーモアミステリの新星・櫻田智也。医療ミステリの新たな書き手と期待される浅ノ宮遼。端正なロジックが冴える時代ミステリの旗手・伊吹亜門。新鋭五人の輝かしい出発点となった作品を一冊にして贈る。