著者 : 水上洋子
さよなら、結婚さよなら、結婚
洋子の叔母・みどりは自由に、奔放に生きる女神のような女。洋子は叔母のように生き切れず、結婚を選んだ。しかし、その結婚が破れた時、洋子が戻ってきたのはみどりと、その仲間たちが棲む花園だった。既成の恋愛関係、男女関係という概念とは無縁に生きようとする男女の喜び、悲しみを描く恋愛小説。
ハ-フム-ンハ-フム-ン
ハーフムーンとは、結婚しているにせよ、結婚してないにせよ、出会いと別れを一巡りした後で、愛について、そして一人であることについてもう一度考えてみようとしている人たちのことである。ハーフムーンたちにとって、もはや結婚は恋愛のハッピーエンドとは限らない。だとしたら愛はいったいどんな未来へとつながるべきなのだろうか。待つという甘美な時間を捨てたとき、女に恋愛のかたちが見えてきた。信じすぎてはいけない。半分だけの幸せの中に自由がある。
シャネルが似合う恋シャネルが似合う恋
〈真昼の陽射しの下でシェリーを飲もうという彼女の提案に、私はわくわくするほど心動かされた。グラスを掲げて彼女は言った。「あなたの恋に乾杯」私は少し戸惑ったが、彼女に尋ねた。「なぜ私の恋に乾杯したのですか」彼女はにっこりと言った。「あなたならとても素敵な恋をしているにちがいないと思ったのよ」私は少し曖昧な笑みを浮かべた…〉燃える恋の渦中にいながらも、不安に慄く繊細な女性の心を、瑞々しい筆致で描く書下しろ恋愛小説。
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