小説むすび | 著者 : 水庭れん

著者 : 水庭れん

右から二番目の星へ右から二番目の星へ

出版社

小学館

発売日

2025年9月3日 発売

結末に涙する、仕掛けに満ちたひと夏の物語 ノイズに溢れたこの世界で、 「大人になる」とは一体どういうことなのだろうか。 「子どもの土地」で永遠の子どもだった「その子」は、心に曇りが生まれ、ある日飛べなくなってしまった。だから、地上に堕とされた……自らの代わりとなる子を一人、連れ去るために。 夏休みの始め、青森のボーイスカウトで、スナメリが座礁した熊本の海岸で、埼玉から繋ぐオンラインゲーム内で、悩める子どもたち3人に奇妙な出会いが訪れる。いなくなる子は、誰なのか。自由と不自由のあいだでもがく少年少女、それぞれの決意とは。 誰もが経験し、忘れてしまう、「あの頃」の怒りと光にいま向き合う。 意外なその結末にきっと涙する、仕掛けに満ちたひと夏の物語。 最後の2行に込められた意味を 理解できる「大人」でありたいと思いました。 ……青山美智子氏 人が生きる底の底から、子どもという存在を見詰めれば こんなにも不思議で美しく、残酷な物語が生まれる。 ……あさのあつこ氏 【編集担当からのおすすめ情報】 本作に顔を覗かせるのは、イギリスの名作「ピーター・パン」。 1人を「子どもの土地」へ連れ去るためにやってきた「その子」、 それぞれの出会いによって変化や成長をすることになる5人の子、 計6人の少年少女のひと夏を、 2022年に小説現代長編新人賞を受賞しデビューした新進気鋭の作家が描きます。 自分の中に閉じ込めてきた怒りや絶望、いつのまにか忘れていた煌めきや希望。 それらを怖いほど鮮やかに蘇らせてくれる1冊です。 「その子」は一体誰なのか?考えながらお楽しみください。

うるうの朝顔うるうの朝顔

出版社

講談社

発売日

2023年6月14日 発売

第17回小説現代長編新人賞受賞作! ーー1秒が、あなたを変える。必要なのは「1粒の種」。 奇跡の花と不思議な青年をめぐる、再生の物語。 綿来千晶は、息子に手を上げた夫と離婚したばかりで鬱々とした日々を過ごしていた。彼女は、偶然入った霊園事務所で日置凪という青年に出会う。親しみやすく価値観の合う凪に、ぽつぽつと悩みを打ち明ける千晶。すると彼は「ひとつだけ、おとぎ話をさせてください。」と「うるうの朝顔」という不思議な朝顔の種を取り出した。 なんでもその花を咲かせると、現実とはほんの少しだけ変わった過去をもう一度体験でき、その瞬間から始まっていた心の「ズレ」が直るという。その夜、千晶には、姉が父に殴られた日の記憶がよみがえり……。 キーアイテムとなるうるうの朝顔の使い方が、不思議な力でズレを修正された人物たちに解放感だけでなく一抹の苦味や寂しさを残すところが味わい深さとなっている。--凪良ゆう すべてのエピソードで、安易な解決ではなく、おずおずと未来に踏み出すなにかが描かれているのに好感を持ちました。 ーー中島京子

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