著者 : 水木はな
運命の夜運命の夜
ターンは里親夫婦の娘イーヴィと本当の姉妹のように育った。あるときイーヴィが、ひどい失恋をして寝込んでしまう。キャズという金持ちの男に弄ばれ、婚約破棄されたというのだ。ターンはいても立ってもおれず、その男に会おうと決めた。妹の絶望を知れば、彼は思い直してくれるかもしれないわ。ターンは素性を伏せて、キャズが経営する会社に職を得たが、意外なことに彼は有能で人望も厚く、すばらしい男性だった。しだいに募るキャズへの想い。こんなはずではなかったのに…。何も知らない彼はターンを熱く見つめ、囁いた。僕は本気だ、と。
億万長者の不器用な愛人億万長者の不器用な愛人
ようやく内定をもらえたホテルから採用を取り消され、納得のいかないカメオは担当者を訪ねた。するとそこで思いもよらぬ人物に遭遇する。ダンテ・ガッロー10年前、カメオの父を泥棒だと糾弾し、イタリアから追放した張本人がホテルの社長だったなんて!逃げるように立ち去った彼女は、途中、体調を崩した老婦人を助けるが、偶然にもそれはダンテの祖母だった。後日、彼から礼を兼ねた食事に誘われ、出向いたカメオは後悔するも遅かった。誘惑に抗えず、強引に唇を奪われて…。
砂の檻砂の檻
妊婦のスターリングは、慌てて自宅から逃げだした。おなかの子の父親であるオマールは、1週間前に交通事故で帰らぬ人となった。そしてたった今、彼の厳格な兄、バクリ国王のリハドがこちらへ向かっているとの情報を耳にしたのだ。目的は明白だ。王家の血を引くこの子を奪うつもりでしょう?未婚の母から生まれた王位継承者をリハドが認めるはずがない。そもそも彼は信じないだろう。弟が生涯隠し通した秘密も、スターリングが清らかなバージンであるということも。
PREV1NEXT