著者 : 水野谷とおる
鷹の城の亡霊鷹の城の亡霊
「パパー!パパー!」有能な会社幹部デーヴィッドを襲う夜ごとの悪夢。幼少時に何かあったのか。彼は催眠療法を受け過去をたぐり寄せてゆく。そして、その果てに立ち現われたヒトラーの顔…これが本当の記憶?では、自分はいったい何者なんだ?喪われた時を求めて男の探索行が始まった。だが同時に、戦後五十年ものあいだ封印されていた謀略もまた甦ろうとしていた。
フラミンゴ・カフェフラミンゴ・カフェ
1931年8月24日。この日、7人の人物が上海の地を踏んだ。ギャング一味の4人は航空便、女性新聞記者とそのフィアンセは船便、そしてスパイがひとり列車で。しかもいかなる運命のいたずらか、彼らはみな同じ場所へと足を向けたのだ。そう、フラミンゴ・カフェ、上海でも指折りのナイトクラブへ。オーナーは謎めいた男ハリー・バード。これで役者はそろった。満州事変前夜の上海を舞台に繰り広げられる、いまひとつの〈カサブランカ〉。
マスクマスク
あとをつけまわす仮面の男。身に覚えのない脅迫電話。血まみれのベツドから消え失せた娘。そして、不気味なヴードゥー人形は血を滴らせて。憂さ晴らしに、ジャズの街ニューオリンズのカーニヴァル見物にきた中年カメラマン。その仮装パレードの狂騒のさなか、男は除々に追いつめられていく。だが、本当の恐怖はまだ始まってすらいなかった。
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