著者 : 永松憲一
囲碁が象る「西遊記」囲碁が象る「西遊記」
囲碁は物語を内包しながら『西遊記』を意味論の世界へと導くー。 7世紀の中頃に遥かインドまで仏教の教義を求めた三蔵法師玄奘、その旅を題材にした『西遊記』は、お馴染みの孫悟空や沙悟浄、猪八戎らが活躍する伝奇物語として知られている。 しかし全100話のこの物語を注意深く読むと、三蔵法師一行の存在や関係性など至る所に囲碁を思わせるような記述があることに気づくー。 前著『日本将棋と西遊記』に続き、盤・石・ルールという囲碁の構造が物語のなかで不思議なほどに象られ類似するその謎を、仏教や易をはじめとする東洋思想を背景に数学の力も借りながら解き明かした、囲碁が誘う構造論的『西遊記』への旅。
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