著者 : 永瀬隼介
迷える日本にやっと現れたカリスマ・月尾雄大。「おれには国民がついている。怖いものはない」。大胆な国政改革を訴え大衆を魅了する月尾は、荒ぶる雄牛のごとく驚くべき豪胆さで突き進んでいく。だが、月尾のボディガードとなった元警視庁敏腕SP・黒木莉子のもとにヒットマンのきな臭い噂が飛び込んだー。男はこの国をどこへ導こうとしているのか!?
菊村直は元刑事。巣鴨でバーをやっている。雇った中国美女・小梅華と恋人気分でいたのも束の間、彼女は有り金を持ってトンズラした。それでも諦めない菊村は彼女の生まれ故郷へ。現地の警察官と命のやりとりまでしたが、彼女の行方はつかめない。帰国後、この中国人警察官が菊村の前に現れた。女の居場所を教えてやるという。その代わり…。
都営団地で母親とふたり貧しく暮らす篤のもとに、知り合ったばかりの中国人美少女、リーホワが突然訪ねてきた。甥のフェイが何者かに誘拐されたという。身代金は2千万円。篤は、中国人三世の先輩、尾崎に頼み込み、リーホワと3人でフェイの救出に乗り出す。裏切りの連続と二転三転する真相。待ち受けていたのは、衝撃の結末だった…。裏社会に生きる人間たちの生き様と、格差社会の現実を克明に描いたノンストップ傑作長編。
連続幼児殺人事件の捜査本部を指揮する不破は、同期の落ちこぼれ警察官・田村の失敗で真犯人を取り逃す。17年後、田村が新宿歌舞伎町のビルの屋上から転落死する。田村は定年後も単身、連続幼児殺人事件の捜査を続け、真犯人に迫っていた。当時、犯人の顔を見たのは田村一人と思われていたが、じつはもう一人目撃者がいた。そして4人目の被害者の母親も強靱な意志で不破の捜査に協力する。果たして闇に消えた真犯人は誰なのか。
職を追われた悪徳刑事の夢。迷宮入りした幼女神隠し事件の解明に執念を燃やす老刑事。仕事に追われ息子を失った刑事の悔恨。三代続く名門警察一家に隠された闇。様々な事情を抱え、職を辞した刑事たちに訪れた“人生最後の事件”とは?刑事という特殊な職業の生態を迫真の筆致で描く警察小説短編集。
北関東で細々と探偵業を営む元刑事・古城辰郎。彼は消息を絶った熊坂茂を捜すため新宿へと向かった。古城はやがて茂が中国マフィアに拉致されたことを知り、彼を軟禁した組織の若きボス・李秀龍と会う。李は古城に組織に潜入している警察のS(スパイ)を捜し出すことを条件に、茂を解放すると持ちかけるが…。古城はSの正体を暴けるか?中国闇組織の驚愕の実態と警察組織の暗闘を活写した、迫真のシリーズ、第2弾。
北関東の地方都市で起きた風俗嬢殺し。事件担当の県警捜査一課警部補・古城辰郎は、無実の男を自殺に追い込み、警察から放逐された。家族とは別居、細々と探偵稼業を始めて2カ月、彼の許に真犯人は地元暴力団という話が舞い込む。独自の調査を始めた古城は、自分が上層部に嵌められたのではという疑念を抱く…。県警と暴力団の驚愕の癒着の実態とは。そして風俗嬢殺しの真相とは。元刑事の寄辺なき闘いを描破した探偵小説。
18歳当時、5人の女性を強姦した上で殺し、死刑判決を受けた希代の殺人鬼・穂積壱郎。その穂積を取材し浮上を図る事件記者の加瀬。厚い壁の中で保護され、死刑への恐怖心をまったく抱かない殺人鬼に復讐することは可能なのか?綿密な取材に裏打ちされた迫真の描写で死刑制度に新たな光を当てるサスペンス。
少年は少女に何があってもおまえを守ってやると告白したが、ある事件に巻き込まれた彼女を守ってやることができなかった。19年後、二人は再会した。ストーリーテリングの才が骨太の物語に結実した、著者の最高傑作。
会社をリストラされ、先輩の空手道場を預かることになった藤堂忠之は、お人好しだが空手の腕はなかなかのもの。潰れかけの道場を立て直そうと奮闘するが、どこかひと癖ある入門希望者たちが、次次と難題を持ち込んできて…。ひねりのきいたストーリーと鮮やかなアクションシーンが魅力の新・格闘技小説。
玉川上水で男性の扼殺体が発見された。捜査陣に名乗りを上げた老刑事・滝口と相棒に選ばれた巡査部長の片桐。滝口はこの殺人事件に三十年以上前に起きた“三億円事件”との接点を見いだす。その頃、殺された男と三億円事件当時仲間だった連中がにわかに再会を果たしていた。昭和最大のミステリーに、緊密な文体と重層的なプロットで迫る!『19歳一家四人惨殺犯の告白』で読者を震撼させた著者がものした、犯罪小説の白眉。