著者 : 沖田円
両親の不仲に悩む高1女子のセイは、自分の居場所がどこにもないように感じていて、何よりそんな自分が嫌だった。ある日、セイは学校の帰り道に訪れた公園で、カメラを構えた少年ハナに写真を撮られる。優しく不思議な雰囲気のハナにどこか惹かれ、以来セイは毎日のように会いに行くが、実は彼の記憶が一日しかもたないことを知ってー。たった一日の記憶の中で、“今”をめいっぱい生きるハナと関わるうちに、セイの世界は変わっていく。「ここにいていいんだよ。セイちゃん」優しさに満ち溢れた感動の物語!
高2の奏は、小学生の頃観た舞台に憧れつつ、人前が極端に苦手。しかしある日誘われた演劇部の部室で、3年に1度だけ上演される脚本を何気なく音読すると、脚本担当の一維に「主役は奏」と突然抜擢される。“やりたいか、どうか。それが全て”まっすぐ奏を見つめ励ます一維を前に、奏は舞台に立つことを決意。さらに脚本の完成に苦しむ一維のため、彼女はある行動に出て…。そして本番、幕が上がるー。仲間たちと辿り着いた感動のラストは、心に確かな希望を灯してくれる!!
自分の店を持つという大きな夢を抱き、アパレル業界で頑張ってきたあずみ。だがSNSでの出来事が原因で仕事を失い、故郷へ帰ることに。数年ぶりの地元で、あずみは幼馴染の太一と再会。幼い頃からどんな時もあずみの味方だった太一だが、夢を捨てた自分を恥じて、あずみは素直になれない。そんなあずみが最近気になっているのは、故郷に戻ってから毎晩見る夢。流星の夜、死んだ『誰か』の横で泣き続ける…そんな奇妙な夢を見続けているのだ。やがてあずみは太一の様子がおかしいことに気づいてー。繰り返される死の夢の真実とは。再生と希望の物語!
「涙」をテーマに人気作家が書き下ろす、スターツ出版文庫初の短編集。父親の死から数年後、初めて向き合う異母姉弟ふたりの葛藤を描いた『雨あがりのデイジー』(沖田円・著)、最愛の「彼」から思いがけず届いたラストメッセージで綴られる『君のかけらを拾いあつめて』(汐見夏衛・著)ほか、じっくりと浸れる7編を収録。何度も味わい読み返したくなる物語は、静かに寄り添い、心の奥底へと深く響いていく。そして苦しい日にも、切ない日にも、あなたをそっと、救ってくれるー。
わたしはこの世界が嫌いだ。そんな気持ちを隠して無難に生きてきた女子高生の佐伯真魚。ある日、手紙で呼び出され校舎の屋上に向かった真魚は、そこでクラスメイトの九条シキから奇妙な話を聞く。「聞いて、佐伯さん。あと七日で世界が終わるんだ」このまま世界を滅ぼすか。それとも自分の存在を消すか。天使の羽を持つ九条は、真魚をその究極の選択者に選んだという。信じられない真魚だったが、翌日、教室から見るいつもの景色から、何かが失われていることに気づきー。世界の終わりまでの一週間。真魚が見つけた“答え”とは?感動の青春小説!