著者 : 泉典子
死ぬまで続く恋死ぬまで続く恋
夫は、私のこの秘密を想像だにしないだろう。ある翻訳家の告白的小説。1975年、ペンパルとして出会った主婦・怜子とイタリア人数学者・パオロ。魂の交流がやがて現実の交情に変じ、互いが79歳と87歳になるまでの濃密な日々を描く。
誰も知らないわたしたちのこと誰も知らないわたしたちのこと
不妊の末に授かった息子には、出生前診断によって重大な疾患が発見されたー選べるはずのないことを選ばされ、孤立感と絶望のあいだを揺れ動く35歳のフリーランス・ジャーナリスト、ルーチェの魂の彷徨を、著者みずからの体験をもとに描いて大きな反響を呼んだイタリアのベストセラー。ローマ賞受賞。イタリア最高の文学賞・ストレーガ賞最終候補作。
おとなは知らないおとなは知らない
10歳の少女マルティーナをはじめとする4人の子どもたちは、年上の少年ミルコに誘われて、打ち捨てられた倉庫に集まった。そこで彼らが見たものは、数冊のポルノ雑誌とそれを見ながら股間に手を伸ばすミルコの姿。はっきりとはわからないながらも、マルティーナは太もものあいだに不思議なおののきを感じる。そして彼らの秘密の遊びがはじまった。少しこわくて、だけどすてきな遊び。おとなの目の届かないその場所で、お菓子を持ち寄り、裸で寝そべって、ときに雑誌の真似事をした。だが、その真似事は、歯止めのないまま次第にエスカレートし、ついには恐ろしい出来事が…。弱冠27歳の若手女性作家がみずみずしい感性で描きイタリア文学界を震撼させた、衝撃の問題作。
大地の息づかいがきこえる大地の息づかいがきこえる
作家を志す孤独な青年が、断絶していた親の死、友人の死をへて、しだいに生きることの意味に目覚めてゆく。生きとし生けるものすべてを懐に抱く、作者タマーロの深いまなざしに満ちた自伝的長篇。
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