著者 : 浅井修
19世紀初頭のイングランド。結婚式を翌日に控え、友人たちと独身最後のパーティを楽しんでいた産科医クロフォードは、ふとしたはずみで、とある宿屋の中庭にあった石像の指に結婚指輪をはめてしまった。ところが、その石像の正体は眠りについていた吸血鬼だったー。クロフォードの行為は吸血鬼との結婚の儀式になってしまったのだ。目覚めた吸血鬼は、クロフォードを自分のものにしようと執拗に後を追いはじめた…。
嫉妬深い吸血鬼の魔手を逃れて大陸に渡ったクロフォードが出会ったのは、やはり吸血鬼の一族に魅入られていた詩人バイロンとシェリイだった。クロフォードたちは力を合わせて自分たちにとりついている吸血鬼を撃退したものの、安息の日は訪れなかった。吸血鬼の一族が総力を結集して襲ってきたのだ。不死の一族とクロフォードたちとの壮絶な闘いがはじまった…。史実と虚構のはざまにくりひろげられる幻妖の伝奇物語。
天才科学者キャル・セムザックが異星人ジャクスドローンに誘拐された。サイボーグ諜報員ローラは対策をとらぬ銀河連邦を飛びだして、単身この愛する弟の救出にむかった。ローラが身を寄せたのは宇宙海賊〈スターボウ〉。だが捜索は遅々として進まない。一方、銀河連邦とジャクスドローンの戦争のかげでは、両種族の命運を左右する陰謀がひそかに進行していたのだ。痛快スペースオペラ〈星界の猟犬〉第二部登場。
惑星マリフェンに、突如ジャクスドローン人の戦艦が襲来してきた。猛攻撃のさなか、この星で研究に従事していた天才科学者キャル・セムザックが誘拐されてしまう。だが地球連邦は、多大な犠牲をはらってまで、ひとりの科学者を助けようとはしない。かくしてキャルの姉であり、肉体をサイボーグ化された連邦秘密謀報員ローラは、愛する弟を敵エイリアンから救出すべく、ただひとり広大な宇宙へと飛び立った。痛快スペースオペラ〈星界の猟犬〉三部作、堂々開幕篇。
アヴァロンは美しい世界だった。人類の進出を脅かすものなど何も存在しないように見えた。人類初の惑星植民団は、キャロメットと名づけた島を拠点に生活を始めるが…。ある日突然、コロニーの動物たちが次々と惨殺され始めた。ちらつく未知の生物の影。そしてある夜、ついにコロニーを恐怖が襲った!ベストセラー・メーカーが贈る待望の最新作。
キャドマンは、その怪物をグレンデルと名づけた。甚大な被害を蒙った植民団は、全力をあげて撲滅作戦を展開する。そしていったんは彼らが勝利をおさめたかに思えたが…。やつらはいったいどこからやってくるのか。人類は、この強大な敵を制圧することができるのか。アヴァロン・コロニーを血と業火に染め、最後の戦いの火蓋が切って落とされる。
馬にひかれた真紅のシボレーが大通りを走り、通貨は稀少な蒸溜酒、昼夜をとわず武装自転車暴走族が略奪のかぎりをつくす奇妙な世界…だがこれこそ核戦争後の廃墟から甦ったロサンゼルスの姿だった!しかも、妖しげな“儀式”を行なって信者をふやす淫祠邪教が不気味に勢力を拡大している。ミュージシャンのリーヴァスは、かつての恋人がこの教団に囚われたと知り、その奪還を決意した。だが、総本山《奇人宮》への単身潜入した彼を待っていたのは、想像をはるかに超えた異様な光景だった!米SF界に新風を吹きこんだ期待の俊英が暗黒の近未来を描くディック記念賞受賞作。
季節は冬。キャットマンの脅威は去ったが、アンドリューとカリスタの新しい生活は、けして容易なものではなかった。地球人とコミンのあいだの壁のみならず、彼女の深層心理に刻みこまれた〈監視者〉ゆえの壁があったのだ…さらに、アンドリューに敵意を抱く、オルトン家の私生児ディージの存在。ヒューゴー賞候補となった、『カリスタの石』続編。
アリリンの権威者レオニーに、〈塔〉の掟に律された〈監視者〉の悲劇を訴えるデーモン・ライドナウ。が、あくまでも頑なな彼女は、彼ら4人が〈上界〉につくりあげた〈禁断の塔〉を〈監視者〉の掟に背くものと断じる…。〈監視者〉に、ありうべき姿を取り戻さんと抵抗するデーモン。未来をもたらすのは、果たしてアリリンか、〈禁断の塔〉か。