著者 : 浅原ナオト
“多様な性”への“多様でない視線”に対峙する人々の、蹉跌と再生の100日間。性的少数者のためのパートナーシップ宣誓制度について受けたインタビューが、萌えるとSNSで注目を集める春日佑馬と長谷川樹の同性カップル。そんなふたりに、同棲生活を延べ100日撮影するドキュメンタリー取材の依頼が舞い込み、同性愛者への理解を広めたい佑馬はそれを受諾する。しかし佑馬と樹は実質的に破局していた。佑馬は樹を説得し、ふたりはカメラの前では仲の良い恋人を演じることに。そんなことを知る由もない制作会社のディレクター茅野志穂は、ありのままの彼らを記録しようと意気込むが…。愛を撮る者、愛を偽る者、愛を捨てきれない者。様々な想いが交錯する100日間の幕が上がる。
「月に人が住む王国があるの、知ってる?」-卒業までのカウントダウンが始まる中三の春。ヒロトの前に突然現れた謎の少女ノゾミ。何でも彼女は月の王国の姫で、もうすぐ月に帰らなければならないのだという。そんな彼女のもと、特別な絆で結ばれたヒロトと3人のワケありな少年たちは、ノゾミを護るためのチーム「御徒町カグヤナイツ」を結成する。しかし、いつしかチームは、自分たちを縛るものから、本当の自分を取り返すための過激な冒険に挑んでゆくことに…。親の圧力に耐えるケイゴ、アイデンティティに揺れるソン、何者でもないことに苦しむカトウ、そして無為に日々を消費するヒロト。無敵で無防備な少年たちが、大人の階段へと歩み出す姿をオフビートに描く、とびきりロックな青春群像劇。
同性愛者であることを隠して日々を過ごす男子高校生・安藤純は、同級生の女の子・三浦紗枝がいわゆる腐女子であることを知り、彼女と急接近する。異性を愛し、子を成し、家庭を築きたい。世間が「ふつう」と呼ぶ幸せを手に入れたい。少年の切実な願いと少女の純粋な想いが交わるとき、そこに生まれるものはー純粋でねじくれた想いが胸を打つ青春小説。