著者 : 海野十三
昼とは別の姿を見せる真夜中の東京“大都市T”。ある晩の殺人事件をきっかけに、数々の怪事件を解決すべく暗躍する“深夜の市長”の存在を知った僕。果たして彼の正体は?傑作都市ミステリ「深夜の市長」、人間の興奮を測定した“興奮曲線”をめぐる悲劇を描く「キド効果」など11編を収録。日本SFの先駆者の真髄を示す、唯一無二の奇想で彩られた珠玉のミステリ短編集を贈る。
名探偵帆村荘六、再び帰還!科学知識を駆使した奇想天外なミステリを描いた、日本SFの先駆者と称される海野十三。鬼才が生み出した名探偵が活躍する推理譚から、傑作集第二弾を精選して贈る。密室を自由に出入りし残虐な殺人を繰り返す、稀代の怪人との対決を描く代表作「蝿男」。在原業平の句にちなんだ奇妙な館に潜む恐るべき秘密を暴く「千早館の迷路」など、五編を収録。
銭湯で起きた殺人の謎を解くデビュー作の本格ミステリ「電気風呂の怪死事件」。男が死んだはずの友人とすれ違ったことに端を発する、幻想的な冒険譚「火葬国風景」。国民を洗脳・支配する独裁国が辿った、皮肉な末路を描く歴史的名作「十八時の音楽浴」など11編に、エッセイを収録。日本SFの先駆者にして、唯一無二の科学的奇想に満ちた作品を描いた著者の真髄を示す、傑作短編集。
科学知識を駆使した奇想天外なミステリを描き、日本SFの先駆者と称される海野十三。鬼才が生み出した名探偵・帆村荘六が活躍する推理譚から、精選した傑作を贈る。異様な研究に没頭する夫の殺害を企てた、妻とその愛人に降りかかる悲劇を綴る怪作「俘囚」。密書の断片に記された暗号と、金満家の財産を巡って発生した殺人事件の謎を解く「獏鸚」など、10編を収録した決定版。
深夜、急激に変容する大都市新興地区が帯びる迷宮感覚ー。東京を思わせるTという大都市。夜ともなると昼間とは全く別個の存在となり、ごく少数の人しか知らない不思議な都市と化す。その闇と迷路の暗黒の世界を支配するのが「深夜の市長」。昼間の市長と市議会の対立するなか、次々と起こる怪事件。解決しようと深夜の街をかけまわる奇妙な男ー怪人市長の正体は!?幻想ミステリ傑作。
大阪の富豪に殺人予告が届いた。差出人は蠅男。警備は厳戒をきわめた。しかし、それを嘲笑うかのごとく、富豪は天井に吊されていた。完全に近い密室に、煙のように侵入しうる犯人とは、いったい何者。名探偵・帆村荘六は、この不可能犯罪に敢然と挑み、怪人蠅男に肉迫する。猟奇的な発端から戦慄のラストシーンまで、昭和初期のエログロ・ナンセンスの雰囲気を濃密に漂わせた鬼才の代表的長編。