著者 : 深山千尋
エーゲ海の花嫁エーゲ海の花嫁
ナースのリアノンは2週間前、亡き親友から忘れ形見を託された。 赤ん坊の父親は、世界的に有名なギリシア富豪、ルカス・ペトラキデス。 陰のある美貌、洗練された立ち居振る舞いだけでなく、 誠実さと責任感の持ち主という評判を知り、リアノンは心を決めた。 親元のほうがこの子は幸せなはず。愛着が湧いてしまう前に渡さないと。 ところが、電話をしても取り次いでもらうことさえできず、 やむなく彼の高級リゾートで開かれるパーティー会場へ向かった。 勇気を振り絞り、話を聞いてほしいと告げたリアノンを ルカスは冷たく一瞥して、警備員に彼女をつまみ出せと指示した。 満座の注目が集まるなか外へ連れ出されながら、リアノンは叫んだ。 「あなたの赤ちゃんがいるの!」 ウェールズの郊外でつましく暮らすリアノンは、給料の半月分もの大金をはたいてルカスのホテルの一室を予約したのでした。でも、無慈悲な大富豪はリアノンの訴えを真っ向から否定して……。HQイマージュの代表作家、ケイト・ヒューイットの秀作をどうぞ!
ふたりのアンと秘密の恋ふたりのアンと秘密の恋
「きみの名は?」名門貴族ジェームズ・オルドハーストに尋ねられ、ベッドに寝かされた娘は必死で答えた。「わたしは、アン…」嵐の夜、ずぶ濡れで行き倒れになっていたところを彼に拾われたが、彼女は名前以外のいっさいの記憶を失っていた。心身ともに弱り果て、不安ばかりが募るなか、なにくれとなく世話をしてくれるジェームズに、アンはいつしか特別な想いを寄せていた。彼は誰もが結婚したいと憧れる魅力的な御曹司。出自の知れない私なんかとかかわったら、彼の名誉に傷がついてしまう!ひそかに身を引く決意を固め、アンは屋敷から姿を消した…。
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