著者 : 清水博之
古本屋は奇談蒐集家古本屋は奇談蒐集家
古本屋で働いていると、絶版本を探してほしいというお客がたびたび現れる。何か月、あるいは何十年もかけて一冊の本を探す人もいる。そこで考えたのが「物語の蒐集」だ。長いあいだ本を探すのだから、そこには何らかの事情があるはず。これからお聞かせする話は、楽しいものもあれば、悲しいものもあるだろう。怖い話、シュールな話もある。ただひとつだけ言っておきたい。私たちの周りには、奇妙なことが想像以上に頻繁に起きていると。29冊の本と、それにまつわる本当にあった29の人生の物語。
天気が良ければ訪ねて行きます天気が良ければ訪ねて行きます
ソウルでの生活に疲れ切ったヘウォンは、ひと冬を故郷で過ごそうと、山と湖に囲まれた片田舎のバス停に降り立った。隣の空き家は、いつの間にか「グットナイト書店」という名の小さな本屋になっていた。店主は幼なじみのウンソプ。彼にとってヘウォンは、初恋の人だった。彼女が戻ってきたことで、静かな冬の生活が変わっていく…。傷つくことに疲れた人、傷つくことを恐れる人。ふたりが背負ってきた過去を、温かい言葉と静かな愛で分かち合いそれぞれが再び人生を歩み始めるまでの、ひと冬のラブストーリー。
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