著者 : 渡辺広佐
クロノフォシル・アンドロメダの活性化に成功した銀河系船団と無限アルマダは、次のクロノフォシルであるマゼラン星雲をめざす。ところが、タウレクとヴィシュナたちがいくら探しても、そこにあるはずのペリー・ローダンのメンタル成分は見つからなかった。ということは、マゼラン星雲はクロノフォシルではないのか?とほうにくれたそのとき、かれらはマゼラン諸種族が信仰する“マゼランのよき精霊”の存在を知った!!
クロノフォシルとは、これまでの歴史においてペリー・ローダンが各地にのこしてきたポジティヴなプシオン・シュプールだった。これを無限アルマダが活性化することで、やがてはトリイクル9が本来のポジションにもどれるのだという。ローダンがそれを知って、無限アルマダ再組織のためM-82にのこる一方、アトランひきいる“ソル”は銀河系へ帰還の途につく。ところがその途中、タウレクが“シゼル”でやってきた…!
実験船“イキューバス”に乗りこんだエリック・ウェイデンバーンとその信奉者十万人は、アルマダ工兵の生物兵器によってひとつに融合したのち、プラズマ状の巨大有機体となっていた。アルマダ工兵たちはこの集合体生物を“新オルドバン”と名づけ、アルマダ中枢への輸送を計画する。これによってアルマダ中枢を掌握し、無限アルマダ全体をわがものにするつもりなのだ。ところが、輸送作業には予期せぬ困難が待っていた!
ヴィシュナ第六の災い“ヴィシュナ熱”に罹患したテラの人類は、その後“技術狂”と呼ばれる譫妄状態になり、目的不明の奇妙なマシンを数えきれないほど建造していた。これらのマシンは、やがて地球上の全エネルギーを吸引したのち、謎の六次元性インパルスを放射しはじめる。レジナルド・ブルは調査に乗りだすが、そのとき宇宙空間から、輝くちいさな泡が数十億個も湧きだすようにあらわれてテラ地表へと向かってきた!
無限アルマダの重要拠点ローランドレをめざしていた銀河系船団は超越知性体セト=アポフィスの奸計にはまり、その居所である惑星アイテランへ連行されることになった。超越知性体の工作員にされてしまった“バジス”船長ウェイロン・ジャヴィアに先導されて、ペリー・ローダンとローランドレのナコール、別名アルマダ王子がアイテランに降りる。セト=アポフィスは、ペリー・ローダンを奴隷にするつもりらしいのだが…。
マークスの原理主義者グレク336は、オーストラリアの海岸町メルヴィルから逃走したのち、ふたたびチベットの町シシャ・ロルヴィクにやってきていた。プシ・トラストのメンバーたちがいる司令本部“思考タンク”を攻撃し、時間ダムを破壊するつもりらしい。テラ政府および宇宙ハンザの上層部は、宇宙駅ルックアウト・ステーションから新世代マークス12名を連れてきて、グレク336を説得してもらおうと作戦を練るが!?
NGZ425年12月、テラにおけるポルレイターの専横ぶりは度をこしていた。ポルレイターの代表ラフサテル=コロ=ソスはペリー・ローダンに、自由テラナー連盟、宇宙ハンザ、GAV¨OKに所属する宇宙船を数十万隻擁する艦隊を準備するよう迫る。大艦隊をひきいて、超越知性体セト=アポフィスの補助種族が住む諸惑星に出動し、懲罰をくわえるというのだ。一方、子供たちをふくむ“虎の一味”はいまだに行方不明だった!
ローダンたちは惑星マクントに足どめされたまま、身動きできずにいた。バリアに阻まれ、アトラン率いるSZ=1に連絡することもできない。トバールグの出方を待つばかりという状況のなか、乗員たちはしだいに退屈しはじめた。そのひとり、ガルト・クォールファートは、世話係のポスビやマット・ウィリーの手を逃れて船内をうろつく。しかし結局は捕まってしまい、例のとおり緊急外科手術をほどこされることになるが…。
3582年1月、紡績会社の重役ワリク・カウクは北米アラスカ西部の狩猟小屋で目ざめた。4カ月前、地球が“喉”に落下する直前、恐怖から逃れようと“ピル”を過剰摂取したあとの記憶がとだえている。一方、技師ボールドウィン・ティングマーも同じころ、アラスカ西部にいた。吹雪に閉ざされた小屋を出て町のようすを探りにいくが、公共設備はすべて機能停止し、だれも見あたらない。人々はどこへ消えてしまったのか…。
ラール人はアトランとの現状維持政策を破棄し、人類のかくれ場NEIを潰滅させようとしていた。かくれ場をつきとめるため、補給惑星エンジョックに潜入したNEI工作員を捜索すると同時に、ローダンのドッペルゲンガーを使った陰謀を企んだのだ。一方、ラス・ツバイは、ローダン帰還の情報を得て、その真偽を確かめようとしていた。だが、ツバイは、細胞活性装置があるにもかかわらず、重い体調不良におちいっていた。
グッキーはリバルド・コレッロの協力を得て、超心理実験を敢行した。肉体から精神をきりはなしてエネルギー生物のハルノを探そうというのだ。実験は成功し、5週間後に意識をとりもどしたグッキーは驚くべき事実を告げた。ハルノは大群に捕らえられており、その大群は銀河の星々の強奪を企図しているというのである。驚愕したローダンはネズミ=ビーバー率いるコマンドを大群内部に潜入させることをついに決意したが…。