著者 : 瀧森古都
今から三十年前の夜、ある動物園のカピバラ小屋で一人の男の子が保護された。 その子の名前は……『おチビちゃん』 彼を置き捨てた母親から、そう呼ばれて育ったという。 カピバラを愛するおチビちゃんは養護施設で育てられ、名前は加比原譲二(かぴばら・じょうじ)と付けられた。動物のカピバラのことが大好きな本人の希望により、加比原という名字が付けられたのだ。 そして三十年の月日を経て、心優しい大人となった加比原譲二は、自分が保護された動物園の清掃員として働くと同時に、その隣にある小学校の用務員も務めている。 そんな加比原譲二は、子どもたちから「カッピー」と呼ばれ親しまれつつ、時にからかわれることも……。 なぜなら彼は、漢字を読むことや、足し算や引き算など計算をすることができず、空気を読むこともできない。心が5歳の時のままだから。 けれど、本当のカピバラのように心優しいカッピー。 一本のたいまつから何千もの火を分けても、そのたいまつの火は消えることがないように、生徒にも教師にも保護者にも愛を無限に分け与えてくれる。 見返りなどという言葉は、彼の中の辞書には存在しない。 関わる人の心の闇に光を照らし、それぞれにとって進むべき本当の道が見えてくる。 しかし、そんなある日、カッピーが命の危機を感じるほどの「いじめ」の対象になってしまうのだった。 さらには、一人のヤクザと出会ったことにより、殺人事件に巻き込まれてしまうことに? 愛とは? 家族とは? 本当の正義とは? ピュアな心を持つカッピーを通じて、人生で最も大切なことを教えられる感動エンターテイメントストーリー。 第一章 名前のない男の子 第二章 エコヒイキ 第三章 勝利の女神
本書はいきなり10万部を突破した瀧森古都のデビュー作『悲しみの底で猫が教えてくれた大切なこと』の続編であり、犬にまつわる感動体験を通じて、登場人物が「生きるとは?」「家族とは?」など人生を深く哲学し、成長していく涙なしには読めない感動小説。 ■第1話「空を知らない犬」 テーマ:自分の居場所とは? ■第2話「三本足のヒーロー」 テーマ:大切なのは「きっかけ」ではなく、それによって得たこと。 ■第3話「ぼくのK-9」 テーマ:優先の「優」は、優しいという字。大切だと思うことを優先するのに理由はいらない。再出発。
27分後、衝撃のラストに、私は号泣しました。─34歳・女性・看護師 本書は、シリーズ累計80万部のベスセラー『ディズニー そうじの神様が教えてくれたこと』の制作スタッフが満を持して世に送り出す「泣ける!人生哲学エンタテインメント小説」です。 「猫にかかわる感動体験」を機に、登場人物が成長していく短編ストーリー集。「号泣しました…」の読者コメント通りの、涙なしには読めない感動物語になっています。でも、ただ「泣ける」だけではありません。思いっきり泣いたあと、大切なことに気づく、そんな「気づきのある物語」です。 泣くことでしか出会えない本当の自分、泣くことでしか気づけない本当の気持ちがあります。一読すれば、あなたもきっと、涙と共に「あなたにとって大切な何か」を受け取ることになるでしょう。 第1話 鳴かない猫 第2話 絆のかけら 第3話 透明のスタートライン 最終話 奇跡の赤い糸