著者 : 瀬王みかる
「一杯につき、なんでも一つ占います」。一風変わったドリンク専門のキッチンカーを経営する五百城圭寿は、少々ワケあり。普通の人には見えないモノが視えるため、相手の守護霊と会話することで、たいていの依頼に応えることができるのだ。圭寿と常に一緒にいる、スマホをいじってばかりの謎めいた美青年・白蓮は、五百城家を代々守護してきた「あやかし」で…?
早世した有名女優の娘である真尋。わざと地味メイクを施し、母親そっくりの顔を変えて生きてきた。母とは違って引っ込み思案で、なるべく目立たないようにしたかったのだ。横浜で就職活動をしていた真尋に、声をかけてきたのは人材派遣会社の社長を名乗る人物。破格の報酬のその仕事とは、挙式直前に逃げた花嫁の身代わりとして、式に出てほしいというもので…!?
鎌倉、江ノ電の駅からほど近い丘の上に、三兄弟が営むカフェがある。「そのカフェで座敷わらしを見ると、幸せになれる」との噂を聞いて、多くの客が訪れる。初恋の人を探しに来た老婦人や、父を慕う引きこもりの少年ーそんな中、黒いコートを着た不吉な男が現れた。男は死に神を名乗り、三年前の事故で死んでいるはずだった三男の綾人を迎えに来たと言うのだが…!?
鎌倉にほど近い、丘の上の住宅街に、歳の離れた三兄弟が営む古民家カフェがひっそり建っていた。「そのカフェで座敷わらしを見ると、幸せになれる」そんな噂につられて、帆南は店を訪れた。祖父母の借金を返すために意に染まない結婚を決めたものの、将来は不安でいっぱいで…。そんな帆南の前に現れたのは!?迷った心を癒してくれる、ほっこりあやかし物語。
卯ノ花家に、月一族の血を引く少女・彩芽がやってきた。お母さんを亡くしたうえ、月一族の秘密を知らされて混乱している彩芽を元気づけるため、若葉たちが作った料理とは…?朱璃の育ての親の辰巳も帰国してにぎやかになった卯ノ花家。でもそれは悲しい別れを予感させていて…。それぞれが未来に向かって進んでゆく、せつなくてあったかい家族の物語。
卯ノ花家に住まわせてもらうことになった若葉を、同じ施設で育った愛実が訪ねてきた。生まれたばかりの赤ちゃんを抱いて「今、すごくしあわせ」という愛実だが、その顔は沈んでいた。そして、彼女は赤ちゃんを置いたままいなくなってしまい…!?一途な愛、叶わなかった恋、はかない結婚生活ー。ちょっと不思議で、せつなくてあったかい。いろんな家族の物語。
突然の失業、おまけに住んでいたアパートが火事になって全焼。身よりもなく、途方にくれていた若葉を仮住まいさせてくれたのは、近所で「薔薇屋敷」と呼ばれている卯ノ花さん一家。気まぐれにカフェを経営している美形兄弟ふたりのほかに、人形のような美少女がいるはずなのに、彼女が見えているのは若葉だけのようで!?謎めいた住人のそれぞれの事情とはー?