著者 : 照夜守幸
幽世の法廷幽世の法廷
その罪を、死んでも隠し通せるか? 少女殺害の容疑者、自首した男、事故死した青年ーー それぞれの「死」の先で再会した彼らが導かれたのは、「幽世の法廷」。 この世界では、心の声がすべて聞こえてしまう。 隠していた真実、守りたかった嘘、抱えていた罪。 魂が裸にされるとき、本当の正義が姿を現す。 真実は、死んでから明らかになる。 工場の資金繰りに苦しむ吉田は、公園で話しかけてきた少女を思わず突き飛ばし殺害してしまう。 現実から目をそらすようにバーに逃げ込むと、偶然居合わせた同業者の男から試作品の依頼を持ち掛けられる。 工場を救うため、わずかな希望にすがる吉田だが、殺人の罪を暴かれ、ついに逮捕されてしまう。 家族と従業員を思い無罪を主張し続ける中、真犯人を名乗る別の人物が出頭したという知らせが入り……。 紅に凍える街 沈む陽と沈む思考 崩れた日常の輪郭 言葉のない別れ 正義の名を騙る者たち 失われていく真実 狂気を孕む逸脱者 交差する運命 出口なき死路 幽世の法廷 エピローグ
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