著者 : 熊谷達也
ウエンカムイの爪ウエンカムイの爪
北海道で撮影旅行中の動物写真家・吉本はある日、巨大なヒグマに襲われ、九死に一生を得る。彼を救ったのは、クマを自在に操る不思議な能力を持つ謎の女だった。その女を捜し求める吉本が見たものとは?野性と人間の壮絶な闘いを通して、生命の尊厳と自立を描いた傑作。第十回小説すばる新人賞受賞作。
まほろばの疾風(かぜ)まほろばの疾風(かぜ)
八世紀。陸奥は日高見川のほとりで、ひとりの男の子が産声を上げた。「アテルイ」と名付けられたその子が十八歳になったとき、金の産出と蝦夷征伐を目的に、大和朝廷の陸奥支配は本格化する。坂上田村麻呂を征夷大将軍にすえ、卓抜した戦力を誇る朝廷軍。一方、自然を愛し平穏に暮らす蝦夷の人々。民族の誇りと未来をかけて、今、アテルイが立ち上がる。