著者 : 片岡翔
探偵の音更風゛(おとふけぶう)は、カルト的人気監督・鳳灾子(おおとりさいこ)から新作映画の監修を依頼された。風゛にとっても因縁のある名作本格ミステリ小説の映画化だ。灾子が起こした過去の事件の顛末や、関係者の証言、原作のストーリーから、風゛は灾子が殺人を企てているのではという疑念を捨てきれない。死体が発見されてから推理を始める「本格ミステリ」の探偵ではなく、事件発生前に止められる名探偵になりたいと考える風゛だったが、無情にも殺人計画は動き出していたー。連絡不通の孤島。奇怪な館で次々と起こる殺人。巻き込まれた名探偵。これはまさしく、「本格ミステリ」!
音更風゛(おとふけぶう)は、「館」シリーズ全十作で知られるミステリ作家の一家にメイドとして就職した。だが一族は揃って不仲で、後を継ぐ兄妹間で殺人計画が持ち上がっている。風゛は殺人を止めるべく、計画を請け負った男・豺に接触し、死者を出さない「新・殺人計画」を考案。しかし計画当日、二人を嘲笑うかのように予想外の人物が殺されてしまい…。「館」という閉鎖空間で起こる殺人事件ー。本格ミステリの「王道」を逆手に取った怒涛の展開は全ミステリファン必見!
あたしのせいで動物園に入れられた「あなた」を、必ず救い出す。どんなことをしても。そう誓った日から、雨子は親友の那智くんとも離れ、ヒグマの飼育員になるため邁進する。だが、それは本当に「あなた」の望むことなのか。大人になった雨子が出した結論はー。真っ直ぐに誰かを想う気持ちが交差する、切なく温かな物語。
小さな出版社で校正の仕事をしている森星太朗は、幼いころ他界した作家で母の文子が残してくれたコアラのぬいぐるみを大事にしていた。そのぬいぐるみは、母が亡くなったその日、しゃべりだし、以来、無二の親友になっていたのだ(もちろん、世間には内緒にして)。そんなある日、しゃっくりがとまらなくなった星太朗に大きな転機が訪れる。コアラのぬいぐるみと出版社校正男子の切なさMAXの友情物語。