著者 : 牧南恭子
帰らざる故国(くに)(上巻)帰らざる故国(くに)(上巻)
北陸・福井出身の祖父は奉天会戦に出征。日露戦争後、満州で馬賊となり事業を起こした。父親はその事業を継いで奉天の成功した実業家となる。一人娘のルイは、上品な亡き母とは比較にならぬ父親の後妻、妖艶な苑子と“女の争い”を演じる。そして激しい行動力で、関東軍の敗色濃いノモンハンへ恋人を追って行くが、その恋人とはなんと…。旧満州全盛期。自由奔放に生きる“炎の娘”ルイ。日本人社会に繰り広げられる愛欲の葛藤。壮大なドラマは『風と共に去りぬ』に迫る。
帰らざる故国(くに)(下巻)帰らざる故国(くに)(下巻)
三方面から怒涛のように侵攻したソ連軍によって“偽国”満州は崩壊した。若き戦争未亡人となったルイは、気力を喪失した男達に代わって家長の役割を負った。日本人同士の醜い争い、中国人、朝鮮人の冷たい視線、激しい抗日暴動の中で、今日食うためにどう金を稼ぐか、必死の日々が続いた。その渦中、あれほど憎んだ苑子が実は…。“偽国”満州の崩壊。敗戦の地獄図。歴史に翻弄される女達をささえ、若く美しい主人公ルイは、渾身のパワーを振り絞って生き抜く。
爪先爪先
「今晩とめてくれません?」出会ったばかりの、それも年下の亮太にあっさり言われたときから、佐和子の愛と殺人事件のスリリングな季節が始まった。天才バレリーナの死と謎のロールスロイス、そして第2の殺人。事件を追う2人の「恋の行方」も意外性に満ちて。酒落た会話と息つく間もない展開!期待の女流推理。
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