著者 : 牧野修
日本で一、二を争う最新治療が望める総合医療センターで臨床心理士として働く秋川茉優。そこに記憶を失った少女が運び込まれた。茉優の弟の和真は動画配信で伸び悩む再生回数を増やそうと、最近放火事件で多くの死者を出した団地に潜入し心霊動画の撮影を試みるのだが…。鳥の啼く夜に次々と死んでいく人たち。20年以上も前の貞子の呪いが復活か。映画で語られなかった背景や登場人物たちのエピソード満載のノベライズ。
高校二年の春、ぼくに親友ができた。馬鹿話に笑い転げ、いつも一緒に過ごした最高の夏休み。あの出来事さえなければ…。少年たちの揺れる心を濃やかに描く「夏休みを終わらせない方法」。豪雨で川が氾濫した日、行方不明になった孫娘。あきらめきれず探し続ける老人と謎めいた少女の出会いを綴る「草葉の陰」。せつなくもあたたかい、優しい幽霊たちの物語六編を収録。
新人記者の駿也は、我が子を傷つけていた母親の不審死事件を取材する過程で「トミーの呪い」という都市伝説を知る。こどもが失踪してから3日後に、家族などの近しい大人が謎の死を遂げるというのだ。こどもたちの間に流布する奇妙な歌を手がかりに調査を進める駿也だが恋人の尚美が呪いの標的にされてしまう。死の運命から逃れるため奔走する二人の前に漆黒のマントを纏う男の影がー。
これまで幾度も世界の危機を救ってきたゼロゼロナンバーサイボーグたち。今はテキサスで静かに暮らす彼らのもとへ、ある日女性ジャーナリストのルーシーが訪ねてくる。「人智を超え異能を持ち、太古より人類の歴史を操ってきた『ブレスド』なる集団が存在する」世界の危機を訴える彼女の来訪と共に、突如空から謎の襲撃を受け、新たな戦いの渦へと巻き込まれる009たち。安息の日々はここに終わりを告げた。人は戦いを忘れることはできないのか。人類の未来はどこへ向かうのか。サイボーグ戦士、誰がために闘うー!?小説版『CYBORG009 CALL OF JUSTICE』。
雨の中、惨劇は起きた。現場に残された紙片には“ドッグフードの刑”の文字。最悪の猟奇殺人は刑事・沢村の予想通り連続する。“私刑執行者”、蛙男の衝撃の過去と心の闇が襲い来る、知られざるもうひとつの「ミュージアム」小説版、悪魔の“Another Side”。絶賛漫画作品の、ホラーの名手による書下ろし驚愕ノベライズ。
“クトゥルー”と名づけられた世界初の霊的発電所周辺で呪的災害が頻発した。呪禁局特別捜査官に緊急出動命令が下る。新人の葉車創作(ギア)は、災害の裏に、魔法テロ組織サイコムウの暗躍を知る。その狙いが発電所の破壊と気づいた葉車たちは厳戒態勢に入る。そこへ狂信的な科学武装集団が侵入。世界の破滅を目論む邪悪な生命体と壮絶な魔戦が始まった…。
友人とゲイパレードを見に来ていた青年、菱屋修介は、晴天の空にアポカリプティック・サウンドが響くのを聞き、天使が舞い降りるのを見た。次の瞬間、世界は終わりを告げ、菱屋は惨劇のただなかに投げ出された。そして彼が逃げこんだ先は自分の妄想世界である月世界だった。多数の言語が無数の妄想世界を生み出してしまった宇宙を正しく統一しようとする神の策謀と、人間は言語の力を武器に長い戦いを続けていたのだった。
村中の人間が集まると、アルフェットゥ語りの始まりだ。豹頭の仮面をつけたグインがゆっくりと登場する。そこはノスフェラス。セム族に伝わるリアードの伝説を演じるのは、小さな旅の一座。古くからセムに起こった出来事を語り演じるのが生業だ。しかしその日、舞台が終わると役者の一人が不吉な予感を口にして身を震わせた。それは、この世界に存在しないはずの、とある禁忌をめぐる数奇な冒険の旅への幕開けだった。
何のために走ってるの?-全宇宙最速をかけた何でもありの大レース“REDLINE”。すごく優しい男JPと、初恋の相手ソノシーはともにその最高の舞台に立つ。しかし開催地のロボワールドは、史上最悪の兵器でレースを阻止しようとしていた。幼き日の憧れ、友情、矜持、恋…それぞれの思いを胸に、命懸けで挑むレーサーたちの勝負の行方は?マッドハウス制作の劇場映画を日本SF大賞受賞作家・牧野修が完全ノヴェライズ。
夢を見ない理由、死体に似た街、腐敗してゆく自分、地下室で蠢く父、時の王国におわす神、娼婦工場の太った女、演歌と神秘主義の密接な関係、妄想を媒体にする言語人形ー現実の皮が剥がれたときに見え隠れする幻覚妄想恐怖戦慄神秘奇蹟を、ヒステリーの治療過程に見立てて並べてみせた、凄絶作品集。『傀儡后』で宇宙的悪夢を描いて日本SF大賞を受賞した牧野修が虚空の果てに見いだした、甘美なる知恵。
二十年前の破滅的な隕石落下により、大阪は異形の街と化した。落下地点から半径六キロは、現在も危険指定地域とされ、ここを中心に、五感で世界と融合するドラッグ「ネイキッド・スキン」や、全身の皮膚がゼリー化する奇病「麗腐病」をめぐり、人類社会崩壊の予兆の中、変容してゆく人の意識と世界が醜悪かつ美麗に描かれる。ホラーの鬼才が満を持して世に問う、空前のテクノゴシックSF巨篇。第23回日本SF大賞受賞作。
夢を見ない理由、死体に似た街、腐敗してゆく自分、地下室で蠢く父、時の王国におわす神、娼婦工場の太った女、演歌と神秘主義の密接な関係、妄想を媒体にする言語人形-現実の皮が剥がれたときに見え隠れする幻覚妄想恐怖戦慄神秘奇蹟を、ヒステリーの治療過程に見立てて並べてみせた、凄絶作品集。『傀儡后』で宇宙的悪夢を描いて日本SF大賞を受賞した牧野修が虚空の果てに見いだした、厳格なる十三の知恵に耳を傾けたまえ。
“クトゥルー”と名づけられた世界初の霊的発電所の周辺で呪的災害が頻発した。緑色に腐敗した巨大な赤ん坊が近隣の街を破壊したのだ。この種の災害や違法な呪的犯罪を取り締まる呪禁局特別捜査官に緊急出動命令が下る。新人の葉車創作(ギア)は、災害の裏に、大鴉を操って先輩の龍頭麗香を殺したサイコムウの暗躍を知る。その狙いが発電所の破壊と気づいた葉車たちは厳戒態勢に入る。そこへ狂信的な科学武装集団が侵入。世界の破滅を目論む邪悪な生命体と壮絶な魔戦が始まった…。
20年前の破滅的な隕石落下により、大阪は異形の街と化した。落下地点から半径6キロは危険指定地域とされ、人々の立ち入りは厳重に禁止されていた。五感で世界と融合する奇怪なドラッグ「ネイキッド・スキン」や、全身の皮膚がゼリー化する謎の奇病「麗腐病」をめぐって、危険指定地域を中心に、不気味な人々が入り乱れ、人類社会崩壊の予兆の中、変容してゆく人の意識と世界が醜悪かつ美麗に描かれる。ホラーの鬼才が満を持して世に問う、空前のテクノゴシックSF巨篇。
通常の警備会社の手に余るような怪異現象が起きた場合、その警備を引き継ぐ「国枝特殊警備保障」。そこには3人の特殊な能力を持った警備員がいた。面妖な方法で邪霊を祓う和製エクソシスト、怪僧洞蛙坊。人の妄念を昆虫や獣の形で「見る」ことのできるバイセクシャルの美青年比嘉。すべての怪異現象は科学的・合理的に説明できると主張する元大学教授山県。3人はさまざまな怪事件を解決するが-。本格ミステリ、ホラー、SF&伝奇の鬼才が結集。まったく新しい形のハイブリッド連作短編集。
古の昔、神と魔はひとつであった。だが両者はいついか袂を分えち、血で血を洗う戦いー神々の黄昏ーが起こった。その後、神々は地上を魔族は地下の国を分け合う契約が結ばれ、世界には平和が訪れた。しかし遙かなる時の流れの中、地上には再び戦禍が起こる…。邪悪な軍師シュタットの操るバンドール国に征服された母国を救うため、マリオン国少年騎士フィンはいま、立ち上がる。
少年戌子は、いつか馬奴騎手になりたいと思っていた。馬奴とは、蹄を持ち二本の脚で直立する獣で、騎手はその肩にのって、速さを競うのだ。だが、ある日、戌児が住む流民の町は、黄武神皇が支配する巨大帝国〈霊ノ国〉の軍隊によって、一夜にして壊滅してしまう。親しい人々を殺された戌児とその仲間たちは黄武神皇に復讐を誓うが…、神皇は謎の力に守られていた。戌児たちに残された方法はただ一つ。三年後に開催される国家行事“大耐久馬奴走”に参加することだった。この大陸横断マラソンレースに勝利すれば、神皇暗殺のチャンスがやってくる。戌児は、夢見ていた騎手となって、レースに挑んだ。ハイ!ノヴェル大賞受賞作。