著者 : 白尾悠
隣人のうたはうるさくて、ときどきやさしい隣人のうたはうるさくて、ときどきやさしい
ココ・アパートメントーー心地よい暮らしを作るために住人が協働するコミュニティ型マンション。住人たちが一緒にダイニングルームで食事する「コハン」があったり、互いの子供を預けあったりする一方で、個人の独立性も重視した住まい。家族と離れて暮らす男子高生、結婚を前に惑うカップル、シングル家庭の親子、秘められた過去を背負う老女……。それぞれの胸の裡を繊細に浮かびあがらせながら、多世代の心の交流を温かな筆致で描く。静かな感動を呼ぶ連作小説。
ゴールドサンセットゴールドサンセット
この世界の理不尽さに深く傷つく中学生、実直に堅実に生きてきたのに報われない中年女性、定年後の不安と不満が募る元サラリーマン、薄れゆく記憶の中を生きる老人、“家”を守りながら囚われてきた専業主婦、強い悔恨の念を抱えて念願の舞台に立つ老優…。中高年限定の劇団を取り巻く人々の人生を丁寧に掬い取る。
サード・キッチンサード・キッチン
アメリカの大学に留学した19歳の尚美は、たどたどしい英語で会話もままならず、友人もできずにひとりぼっち。人間関係をあきらめ勉強だけに邁進していたある日、偶然言葉を交わした隣室のアンドレアとともに、さまざまなマイノリティが集まる、ある学生食堂に招かれる。臆病な自分自身と深く向き合ったとき、あふれだした思いと言葉の数々が胸を揺さぶる、希望に満ちた感動作!
いまは、空しか見えないいまは、空しか見えない
ホラー映画好きの優等生・智佳は、抑圧する父親に反発し、日帰りのひとり旅を決行するが、東京への長距離バスで同じ高校のお馬鹿なギャル・優亜と偶然乗り合わせてしまう。それまで話したこともなかった優亜のつらい過去を聞かされた智佳は、彼女のためにリベンジの計画を練るが…。R-18文学賞受賞作ほか、智佳と優亜がそれぞれの道を切り開くまでー希望への疾走を描く、鮮烈なデビュー作!偶然居合わせた女子高生ふたりの“たった一日の冒険”。
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