著者 : 白木智子
夜霧につつまれて二人夜霧につつまれて二人
オークションハウスの接客係リリーは、かつて窃盗団の一味だった。幼くして両親を失い、叔父に否応なく引き入れられたのだが、普通の暮らしがしたいと切望して教養とマナーを身につけ、ようやく今の仕事についた。しかし叔父には悪事に手を貸さねば周囲の人に過去をばらすと脅され、窮地におちいっていた。子爵クリスチャンは、かつて軍隊に所属していた頃に逆恨みされた敵国の元将軍から家族の命を狙われている。消息を絶った敵の持ち物がオークションにかけられるという情報を得て、調査に乗り出した矢先、リリーと運命的に出会った。悲しい過去をもつ二人は、やがて心を寄せ合うようになるのだが…。RITA賞ベスト・ヒストリカル・ロマンス賞受賞作のシリーズ最新作!
募る想いは花束にして募る想いは花束にして
公爵の異母妹イブは平穏な毎日を望んでいた。外出はせず、細密肖像画を描き、小さな屋敷で静かに暮らしていたいと。それは心の傷を思い出さないようにするためだった。しかし、兄の代理でハート庭園の持ち主エイサ・メークピースのもとを訪ねたときから、彼女の生活は一変する。古びた庭園と園内の劇場を再建するため、イブの兄から資金の提供をうけていたエイサに、その出資の打ち切りを告げるのが彼女の役目だった。反発しあう二人だったが、エイサはイブの孤独な陰がどうしても気になってしまい、ほうっておけない。また、イブも彼の劇場に賭ける情熱とたくましさに魅せられる。少しずつ心を通わせていくなか、イブはエイサに絵のモデルになってほしいと依頼して…“メイデン通り”シリーズ第9弾。癒やしと再生の愛の物語。
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