著者 : 百瀬しのぶ
おくりびと〔小学館文庫〕おくりびと〔小学館文庫〕
チェロ奏者の大悟はオーケストラの解散で失業し、故郷の山形に帰る。そこで見つけたのは「旅のお手伝い」をするという求人広告。面接に訪れてみると、それは「安らかな旅立ちのお手伝い」をするの間違いで、ご遺体を棺に納める納棺師の仕事だった。予想外の厚遇に働くことを決意する大悟だったが、初めて目にするご遺体の前で、最初は戸惑うばかり。新しい仕事のことを詳しく話していなかった妻にも大反対され、彼女は家を出てしまう。新人の納棺師としてさまざまな人びとの別れに立ち会ううちに、自らの生き方にも目覚めていく大悟だったが、やがて彼の身近でも……。
奈緒子奈緒子
長崎県波切島。奈緒子はその島で、走ることが大好きな少年・雄介と出会った。しかし、船で沖へ出た日、誤って海に転落した彼女を助けようとして雄介の父が命を落とす。「父ちゃんを返せ!」雄介から詰め寄られ、奈緒子はずっと罪の意識に苦しんでいた。それから六年ー。再会した雄介は、“日本海の疾風”と呼ばれ、高校陸上界のトップランナーになっていた。雄介の走る姿を見ているだけで、奈緒子の胸は高鳴り、熱くなる。伝説の駅伝コミック『奈緒子』原作の映画を完全ノベライズ化!青春の痛みと汗をタスキにして、奈緒子と雄介、ふたりの時間が再び動き出す。