著者 : 皆藤黒助
書くべき言葉を見失った元天才書道少年の墨森肇は、金髪碧眼の転校生アキに一目惚れ。しかし、アキの憧れがI love youの名訳といわれる「月が綺麗ですね」を超えた告白をされることだと知り、頭を抱える。回し手紙の伝言ゲーム、存在しない幽霊文字“彁”、同人誌の不可解な改変など言葉にまつわる事件を解決し、肇は日本語史上最大級の無茶ぶりに応えて無事告白できるのか!?
亡き父と同じ大工になった環奈がやっと就職した半間建築社は、無理難題や原因不明のトラブルが絡んだ「欠陥案件」ばかりが持ち込まれる奇妙な設計事務所だった!住みづらくなる増改築を繰り返す老婦人、巨人の幽霊が出ると噂の旅館、古い公衆トイレを彼氏だと言い張る女子高生、恩師の新居にこめられたある想いー。推理力だけは一級のヘタレイケメン建築士・半間樹が建物にまつわる謎を解き明かす、痛快建築ミステリ!
父親が失業したため、住み慣れた東京から父の故郷である日本海の四葉島に移り住んだ高校生の鳥羽心一。都会への未練を捨て切れずにいる心一は、ある日、蔵で古い自転車を見つける。なんと、その自転車には死んだばあちゃんの神様が宿っていた!?一目惚れをした同級生の女の子のために、強く願って漕げば好きな場所に行けるという、不思議な力を持つ“ババチャリ”で奮闘する心一。海に囲まれた離島で、都会っ子高校生が奇跡を起こす!?
下駄を鳴らして歩きたくなる温泉の町、箱根強羅。のどやかな軒並みの中に、その店はある。店主は浮世離れした美しい女性。古物商なのだが、扱う品は変わっている。それぞれが次の持ち主を選ぶというのだ。心ある器物、いわゆる付喪神なのだった。最近出入りする青年には全てが驚くことばかり。だが彼は知ることになる。大切にされた道具には特別な思い出がこもっていることを。身近なものが愛おしくなる、優しさに満ちた物語。
私の誕生日の前日、おじいちゃんは危篤に陥った。肌身離さず持っていた写真は、私の生まれた日に撮影された心霊写真めいたものだった。しかも「五色の雨の降る朝に」という謎の書き込みが。かわいがられた記憶はないけれど、写真に込められたおじいちゃんの想いを知りたくて、雨の日にしか登校していない雨月先輩に相談を持ちかける。これは私が雨を好きになるまでの物語。
妖怪嫌いなのになぜか「妖怪研究同好会」に所属中の皆人。変人美人のハル先輩に振り回されつつ初の文化祭の日を迎えるが、お祭り騒ぎの中、奇妙な事件が発生。生徒会長の倉吉から、実は文化祭の前に“犯行予告”めいたメールが届いており、その犯行を阻止してほしいと頼まれる。「水虎」「覚」など妖怪が絡んだ4つの事件を、皆人は解き明かすことができるのか。そしてその“犯人”の目的とは?切なさ残る、青春学園ミステリ第3弾!
「この想いをあなたに伝えることをお許しください」-。夏休み、海釣りに出かけた皆人達は奇妙な恋文が入った小瓶を拾う。あれこれ推理を巡らせ再び手紙を見ると、文字がすべて消えていた。妖怪の存在を主張するハル先輩に対し、妖怪嫌いの皆人が導き出した意外な真実とは!?山道で迷い込んだ“見てはいけない家”、幼き日の皆人が遭遇した恐怖の小学生連続転落事件。振り回され系男子高生が論理で謎を解く青春ミステリ!
高校に入学した皆人が出会ったハル先輩は、筋金入りの妖怪マニア。彼女は皆人のもとに「妖怪がらみの事件」とやらを次々に持ち込んでくる。部室に出ると噂の幽霊の正体、天窓から覗くアフロ男、監視カメラに映らない万引き犯…。とある過去から妖怪を嫌う皆人は、ハル先輩に振り回されながらも謎を解き明かしていく。爽やかでほろ苦い、新たな青春ミステリの決定版!