著者 : 眉村卓
里沙の日記里沙の日記
学校の行き帰りに通りかかるお店でみつけたアンチック・ドール。里沙は、なぜか心ひかれるその人形に「リサ」と名をつけた。リサを自分のものにしたいーそう人形に語りかける里沙の心の中に、ある日リサの答えがきこえてきた。リサと、声にならない会話をかわす里沙だが、不思議な予言の言葉が、心に響くようになり。-『里沙の日記』から。表題作ほか傑作SF短編5編を収録。
引き潮のとき(第1巻)引き潮のとき(第1巻)
人類が宇宙に進出し、居住可能な惑星に植民するとして、どんな状況が現出するのであろうか。植民世界がしだいに建設されるとき、教育と訓練を受けた司政官と呼ばれる人間が、理屈の上では公平無私のロボット官僚たちを駆使して、その植民世界を統治するかもしれない。-司政官シリーズは、この一見統一されたかたちの中での司政官を描こうとするうちに生まれた。が…少し考えれば自明のように、それは連邦と植民世界、植民者と現住種族との間に立つ、矛盾した存在である。『引き潮のとき』は、その矛盾のうちに連邦から自己の世界を混乱に導く使命を与えられて赴任し、しかも司政官制度退潮の中でおのが何をし、どうあるべきかを追られなければならなかった男の物語というわけなのだ。社会と個人の関係に、透徹した視線を向け続ける著者のライフワーク。待望の第1巻。