著者 : 矢島誠
東京渋谷のマンションで、妊娠6ヵ月の若い女性が殺された。岩手県観光振興会東京事務所に勤めていた彼女が交際していた相手は、岩手県平泉に住む男だった。警視庁の瀬戸際警部が捜査を開始すると、被害者の女性は義経を名乗る人物から脅迫を受けており、殺される直前に不可解な行動をしていたことがわかった。義経の側室だった静御前に関する資料が発見され、平泉町で史跡の世界遺産登録を推進する動きが高まるなか、第2の殺人が…。
「火事で行方不明になった姉が宝物にしていたアイドルスター・紅林真紀のサイン色紙が、インターネットオークションに出され、その出品者・石田友雄の絞殺死体が多摩川で発見された。その真相が知りたい-」。『週刊ジャパン』編集部に届いた一通の手紙は、神戸で印刷業を営む野辺昭一からのものだった。その後、昭一の姉・藍子がコレクションしていたアンティークドールも石田の部屋から見つかった。自分のサイン色紙と人形の謎を、「特命記者」真紀が追う。だが、第二の殺人が起こり、その死体も藍子の人形を抱いていた…。
静岡県知事選挙を目前にして、前文部科学省事務次官であり第二十六代目由比本陣当主・神谷孝範氏が殺害された。そして、同日同時刻に東京で起こった、もう一つの「密室殺人事件」。複雑に絡み合う人間関係、そして利権問題…。横溝正史の「本陣殺人事件」が、現代に甦る。
日曜日の東京発最終新大阪行きの『ひかり』は、週末を東京の恋人とともに過ごし、この便で帰るとぎりぎり、夜十二時の鐘が鳴る前に関西に戻れることから「シンデレラエクスプレス」と呼ばれていたー。この列車から切断された女性の左手首が発見された。発見者のコンパニオン・喜多村亜紀と櫛田範子は否応なく殺人事件に巻き込まれてしまう。そして亜紀のもとに届いた謎の手紙の意味とは何なのか。やがて事件は意外な結末をむかえることに…。
藤沢由貴は完全犯罪を計画していた。ところが、予定していた犯行現場で、殺すべき相手ー片倉幹男が死体となっていたのだ。一体誰が自分の計画を知り、自分を犯人にしようとしているのか。警察から容疑をかけられた由貴は、自分の手で犯人を探し始め、殺人現場に奇妙なダイイングメッセージを見つけるのだが…長篇サスペンスミステリーの傑作。
中谷小百合は、24歳のOL。老舗の菓子店『島一』の跡取り息子・桑島亮一との婚約を決める為、彼の実家がある金沢を訪れた。だが、到着早々『島一』の従業員が浅野川で殺されたと聞かされる。さらに、亮一は“婚約者を金沢に連れてくるな”という脅迫文をうけとっていたと告白した。ふたりは招かれざる客なのか-。古都を舞台に描く婚約旅行殺人事件。書下ろし長篇ミステリー。
札幌駅に到着した「北斗星1号」から若き会社社長の惨殺体が発見された。被害者の丸山は死の直前に「犯人は、」とのみ血文字でメッセージを残していた。しかし唯一の容疑者はシロと断定され、警察も、告げるべき犯人名は存在しない、つまり0文字=自殺と考え始めた。ところが、あの短い血文字に意外な犯人名が。
横浜海運社長令嬢・大谷絵里子が刺殺された。絵里子は死を覚悟していたのか、「ゆみはふねとほねつくした」が暗示する人物が犯人だと書きのこしていた。10日後、別の全裸殺人事件で横浜海運役員の名刺が発見されたが、二つの事件を結ぶ糸は?12文字に隠された意外な真犯人。そして思いもよらぬ逆転のラストが!
東京、大阪、名古屋、札幌、神戸の北区内にある大学、警察署、放送局に送られてきた、女性のバラバラ死体と脅迫状。京都駅に到着した急行「きたぐに」の寝台から首が発見されたのは、脅迫状が指定した5月17日夜11時のことだった。鑑識の結果、6大都市で発見された死体は同一人物と判明した。被害者・福富名美の周辺を捜査する、京都府警の熱血漢上原刑事の前に、4年前に同じ「きたぐに」で起きた不可解な事件と田口明子の自殺が浮かびあがってきた。妹の無残な死を追う、姉真美子と上原刑事の行く手に第2、第3の殺人。そこに意外な犯人の素顔が…。大ヒット「霊南坂殺人事件」に続く会心の第2弾。