著者 : 知花凜
あの夜に授かった天からの贈りもの。 二人で分かち合うべきだけれど……。 1年前からフロリダのキーウエストで働くステイシーは、 事故で重傷を負った同僚を病院に運びこんだ。 怪我の状況をきこうと担当医の顔を見て、彼女は息をのんだーー 5年前、ビーチでめくるめく情熱の一夜を分かち合ったルイス! あの翌日、彼は医療活動で海外へ旅立ち、それっきりになっていた。 今、目が合ったはずなのに、驚いた表情を浮かべたルイスは 非常口のドアを押し開け、どこかへ行ってしまった……。 しっかりしなさい。落ち着くのよ。そう自分に言い聞かせる。 だがほどなく、ステイシーは仕事で再びルイスと顔を合わせた。 もう向き合うしかないーー私の4歳になる息子の父親である彼と! USAトゥデイのベストセラー作家トレイシー・ダグラスが贈る、予期せぬ妊娠物語! 顔やふとした仕草など、ルイスと息子がよく似ていることに気づき、愛がこみ上げるステイシー。でも彼がいつまた突然遠い国へ行ってしまうかわからず、恋をためらい……。
この子とふたりで生きていく。 私に愛される価値はないから。 プレイボーイ富豪ラムゼイの強烈な魅力に屈した翌朝、 切ない想いをもてあましたノーラは彼のもとを逃げだした。 さらに3カ月後、ノーラは妊娠に気づいて愕然とする。 父にないがしろにされ続けた無価値な私にできるのは、 この子を全力で愛することだけーー父に捨てられた母のように。 幸せな家庭への切望を胸の奥に封じ込め、 我が子を密かに産み育てる決意をしたノーラだったが、 突然、目の前にラムゼイが現れた。 魅惑的なグレーの瞳に、冷たい怒りをたぎらせて。 注目の作家L・フラーは、登場人物の抱える心の傷を愛の力で昇華させる達人とも言われています。妊娠の事実を知るや否や解決策としての結婚を提示するラムゼイと、愛なき結婚におびえるノーラ。ふたりが徐々に歩み寄りはじめた矢先、厳しい試練が訪れて……。
ギリシアの孤島で古い城に閉じ込められ、 父の暴力に耐えながらも、自立する日を夢見ていたセレーネ。 17歳のとき、あるパーティで彼女は生まれて初めての恋をした。 父のビジネスの仇敵、億万長者ステファン・ジアカスに。 セレーネの語る夢に真剣に耳を傾け、彼はこう言ってくれた。 「5年後に会おう、セレーネ」 彼女はその言葉だけを心の支えに、島から出る計画を進めてきた。 そして決行の日。美しく成長したセレーネは、まだ知らなかった。 ステファンがじつは悪名高きプレイボーイであるうえに、 彼と父との間には、ビジネス以上に深い因縁があるということを。 S・モーガンの作品には純粋で無垢な女性が多く登場しますが、そのなかでも今作のヒロイン、セレーネは断トツではないでしょうか。彼女には幸せになってほしいと誰もが願わずにはいられません。
逃げた姉の身代わりとして、 億万長者と結婚するなんて……。 幼いころから美人の姉や優秀な弟と比較され、 横暴な父に蔑まれ続けてきたエラは窮地に陥っていた。 破産寸前の父が、娘と大物実業家ドナートの結婚を画策したのだ。 地味な看護師の私など、億万長者が相手にするはずがないのに。 だが父はエラの弟が懸命に貯めた事業資金まで使い込んでおり、 ドナートから資金援助を受けた暁にはそのお金を返すと言う。 仕方なく彼に会ったエラはその強烈な魅力に驚き思わず反発する。 そんな彼女にドナートは言った。「僕と結婚しなければ、 君の父親は破産する。君は父親が路頭に迷ってもいいのかな?」 劣等感に苦しみながらも訪問看護師として健気に自活してきたエラ。はたして彼女は、真実の愛を手に入れることができるのでしょうか……? 揺れる思いを巧みに描いた、熱く切ないラブストーリー。