著者 : 石牟礼道子
完本 春の城完本 春の城
天草生まれの著者が、十数年かけた徹底した取材調査ののち完成させた、天草・島原の乱を描いた最高傑作「春の城」。取材紀行文「草の道」、多彩な執筆陣による解説、地図、年表、登場人物紹介、系図、関係図を附した完全版!
現代小説クロニクル 1990〜1994現代小説クロニクル 1990〜1994
印刷機と鯨の音「フィヨルドの鯨」。十代最後の夏が終わる「ティーンエイジ・サマー」。晩年を生きる少女の揺らめき「晩年の子供」。幼なじみが騎兵姿で「夕陽の河岸」。泥道の邂逅、遊郭の記憶「七夕」。文学碑をめぐる解説書簡「十七枚の写真」。あの戦友や慰安婦たちは「セミの追憶」。私とスパイはバスで東へ「光とゼラチンのライプチッヒ」。夢の中の犬の匂い「犬を焼く」。電話の主は海芝浦へ行けという「タイムスリップ・コンビナート」(芥川賞)。現代文学を俯瞰する第四巻。
椿の海の記椿の海の記
はだしで盲目で、心もおかしくなって、さまよってゆくおもかさま。四歳のみっちんは、その手をしっかりと握り、甘やかな記憶の海を漂う。失われてしまったふるさと水俣の豊饒な風景、「水銀漬」にされて「生き埋め」にされた壮大な魂の世界が、いま甦る。『苦海浄土』の著者の卓越した叙情性、類い希な表現力が溢れる傑作。
十六夜橋十六夜橋
不知火(しらぬい)の海辺に暮す土木事業家の主とそれをとりまく三代の女たち。遊女、石工、船頭…人びとがあやなし紡ぎ出す物語は、うつつとまぼろし、生と死、そして恋の道行きー。第三回紫式部文学賞受賞作品。
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