著者 : 石牟礼道子
完本 春の城完本 春の城
名著『苦海浄土』で描かれた民衆の魂をさらに深くつきつめた最高傑作! 豊かな山海に抱かれささやかに生きてきた無垢な信仰心をもつ人々が、なぜ立ち上がらねばならなかったのか? 天草生まれの石牟礼道子が、水俣病闘争でのチッソ本社前座り込みで島原の乱の原城籠城を追体験し、執筆を決意。十数年かけた徹底した取材調査ののち、天草・島原の乱を民衆の心性に添いながら描き切った最高傑作! 詳細な地図や年表、多彩な執筆陣による解説、取材過程で生まれた紀行文、作品に関連するインタビューやエッセイを附した完全版! [解説]田中優子・町田康・赤坂真理・鈴木一策 [対談]鶴見和子+石牟礼道子
椿の海の記椿の海の記
はだしで盲目で、心もおかしくなって、さまよってゆくおもかさま。四歳のみっちんは、その手をしっかりと握り、甘やかな記憶の海を漂う。失われてしまったふるさと水俣の豊饒な風景、「水銀漬」にされて「生き埋め」にされた壮大な魂の世界が、いま甦る。『苦海浄土』の著者の卓越した叙情性、類い希な表現力が溢れる傑作。
十六夜橋十六夜橋
不知火(しらぬい)の海辺に暮す土木事業家の主とそれをとりまく三代の女たち。遊女、石工、船頭…人びとがあやなし紡ぎ出す物語は、うつつとまぼろし、生と死、そして恋の道行きー。第三回紫式部文学賞受賞作品。
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