著者 : 石田享
1978年、新興地へ転向してきた高校2年生のキム・ヒョンス(クォン・サンウ)が、転入した男子校には暴力と支配が蔓延していた。強さを誇示する同学年生徒や、大きな影響力を持つ1学年上の3年生、軍事政権国家による体制的な教師たち…。ある学校帰りのバスの中、オリビア・ハッセー似の他校3年生カン・ウンジュ(ハン・ガイン)が、不良生徒たちに絡まれているところを劇的に救ったヒョンスとキム・ウシク(イ・ジョンジン)は、彼女のすべてに一目惚れしてしまう。物静かなヒョンスと大胆なウシク。16歳の2人の青年がウンジュへの恋慕を通じて、心を激しく揺さぶり合い、かけがえのない青春を築きあげる。
遠い昔、はるか銀河の彼方で…邪悪なる銀河帝国の圧政に耐えかね、立ち上がった旧共和国の人々は反乱同盟軍と呼ばれていた。その若きリーダーの一人、プリンセス・レイアは銀河の自由を取り戻すべく、帝国軍の最終兵器の機密を携え、専用の銀河巡航艇で一路故郷オルデランへと向かっていた。しかし、帝国軍の追撃を逃れることができず、彼女は悪の化身ダース・ヴェイダーに捕えられてしまった。しかし彼女がメッセージを託したR2・D2とC・3POという2体のドロイドは、奇跡的にも辺境の惑星タトゥイーンに住むルーク・スカイウォーカーと出会った。これを境にルークは銀河規模の戦いに巻き込まれるのだった-。
物語は、貧困にあえぎ、怨嗟と慣怒が渦巻くニューヨーク近郊の黒人スラムを舞台に展開する。殺人事件の容疑者と目された黒人青年を執拗に追い詰める白人のベテラン刑事-。この息詰まる対決を軸に、闇にうごめくコカイン密売人〈クロッカー〉たちの世界がリアルな筆致で描かれてゆく。
ルーズベルト団地を根城にコカインを密売しているストライクは、ある日、ボスのロドニーから殺しの話を持ちかけられる。裏切り者を消せば、クロッカーからオンスマンに取り立ててやるという。ストライクは殺しを引き受け、裏切り者ダリル・アダムズをつけ狙うが、邪魔が入り果たせない。そんなとき偶然入ったバーで、兄のビクターにばったり出くわす。ダリルのことをもらしたストライクは、兄から〈俺の相棒〉なる殺し屋ならその殺しを引き受けるかもしれないと教えられ驚く。数時間後、ダリル・アダムズが射殺された。一方、捜査に乗り出したデンプシー郡検事局殺人課捜査官ロッコ・クラインは麻薬絡みの事件と睨む。そして数日後、ストライクの兄ビクターが自首してきた。これで事件は一気に解決かと思われたが、ビクターの供述はあいまいで動機もはっきりしない。ロッコは真相を究明しようと躍起になるが…。奇才リチャード・プライスが挑む異色ミステリー完結編。
冷えびえと冴えわたる月光が、人間の隠された本性を暴き出す!ルナティックの魔力にとりつかれた人間の変わり果てた姿はー荒野をさまよう狼。月の光は、人間社会をあまねく照らしだす。未来の超メガロポリスも、18世紀ヨーロッパの一寒村も、犯罪うずまく都市の裏側もー。そして、そこには今しも獣に変わろうとする哀れな人間の姿があるのだ。次に人狼と化すのは誰だ?サイコ・スリラーからパロディ、SFに至るまで、気鋭の作家陣によるアンソロジー第5弾。
人間は誰もが天使の理性と狼の野性を合わせ持つ。そして天使の仮面に飽きた時、人間は狼への〈変身〉を願望する。狼となった人間の出現する時代は。舞台は。いや、過去、現在、未来、人間の存在するところすべてに、人間の二面性ある限り、変身願望ある限り、〈狼人間〉は跳梁し続けるのだ。10人のベテラン作家や期待の新鋭が、最も現代的なモンスター=〈狼人間〉をテーマに筆を振るい、ホラー、サスペンス、SFのみならず、哲学的領域にまで踏み込むアンソロジーの決定版。