著者 : 福澤ゆき
幼い頃の家庭環境が原因で、周りの気を引くため打算的に生きる癖がついている透は、現在人気急上昇中のアイドルのメンバーの一人。しかしある日、週刊誌に透のパワハラが捏造された記事が出たことで炎上してしまう! 事務所の命令で活動休止にされ、自暴自棄になっていた透は、突如異世界召喚されーー神官たちによってラーシュタリア王国の神子「候補」として呼ばれたことを知る! 裏切りばかりの元の世界に、戻る場所などない。今度こそ誰にも本当の姿など見せず、完璧に演じ切って神子に選ばれて見せると異世界での再起を誓った透は、有力な貴族をパトロンとしてバックにつけると選挙で有利に働くと聞き、侯爵家の息子で宰相補佐の役職に就くカインに果敢に営業をかけに行く。しかしなぜか最初から嫌われて、辛辣な態度を取られてしまいーー!?
ランドリア王国の文官として激務をこなすフィーノは、政略結婚相手の暴虐で冷酷な公爵家のリナルドに長年虐げられていた。だがある日、不慮の事故で生死を彷徨ったリナルドが目を覚ますと……全くの別人のように変わっていた! 突然降りかかる彼からの愛情に混乱を隠せず、リナルドを避けるように執務に励むフィーノだが、やがて国をも揺るがす大きな事件に巻き込まれていくことになる。 ーーかつてこの国で一人の偉大なる魔法使いが死んだ「プリディーヴァの惨劇」。 リナルドはフィーノがその伝説の魔法使いの生まれ変わりであり、自身にとっての最愛の師匠であったと告白してきて? 「何百年、何千年かかっても、必ずまた巡り合うから。その時は今度こそ、愛し合おう」
異世界で出会った半魔のロイと家族の関係を抜け出し恋人として穏やかな日々を過ごしていたのに、何者かによって元の世界に強制送還された郁実。再び異世界に戻ると、そこは郁実が消えてから約三年後の世界だった。神殿で自身がこの世界に召喚された神子だったこということを言い渡された郁実の護衛につくことになったのは、王弟の息子を名乗って国随一の騎士へと成長、そして郁実が自分を見捨てて元の世界へと戻ったと思い込んで愛憎の念が入り混じったロイだった。そんなロイとともに郁実は神子として国を脅かす魔物を退治していくことになり、神殿や王族の間にある根深い問題にも巻き込まれていく。自分に降りかかる数多の困難に当惑する郁実だったが、何より戸惑ったのは大人になってもなお強い執着を自分に向けてくるロイの姿でーー!
お人好しのサラリーマンである佐久間郁実はストーカーに刺されそうになってマンションから飛び降りたところーー異世界に来てしまった。手にした能力は手から温かい光が出るだけという微妙な能力で、スローライフどころか明日食べる物にも困る生活。そんなある日、魔物と人間の半魔の子供・ロイが“バケモノ”として殺されそうになっているところに遭遇し、異世界でもお人好しを発揮して保護することに。人間に対して強い恨みを持つロイは傲慢で警戒心も強く、そんな彼に手を焼きながらもなんとか生活を共にしていた。そんなある日、悪人からロイを守ろうと致命傷を負ってしまった郁実の姿を見てロイの心に変化が起こり…?