著者 : 秋山紀勝
[商品について] ー政治的判断か、人の命かー 財務大臣・権藤正夫の娘である大学生の冴子が誘拐された。同級生2人とともに、スマホの電波も届かない『みちのくの秘湯』へ出かけた折を狙われたのである。しかし、犯人を名乗る男からの要求は、普通の誘拐事件とは大きくかけ離れていた。「身代金はいらない。警察に届けてもいい。ただし、明後日の午前0時からの10年間、全国の高速道路の料金を無料にしろ」--犯人の真の目的は何なのか。そして、いったい誰が犯人なのか……。政治とミステリーが巧みに絡み合うストーリーは思いもよらない結末を迎える。このたび、シナリオの大会で高評価を受けた作品の一部がコミック化され、よりスリリングな内容となって登場! [目次] はじめに 人物 【小説本文】 【メモ】 オリジナルシナリオ おわりに 著者略歴 [担当からのコメント] 犯人の要求は「高速道路の無料化」という、斬新でありながらも本当にありそうな事件を描いた本作。小説ではなくシナリオということ、そして内容の一部がコミック化されていることで、物語はスピーディーに、かつ躍動感をもって進行していきます。普段、あまり活字に触れないという方も存分に楽しめる1冊です! [著者略歴] 秋山 紀勝 1942年(昭和17年)2月、山梨県甲州市勝沼町に生まれる。中央大学卒業。 山梨日日新聞記者を経て、朝日新聞記者。東京本社社会部、福島県会津若松、北海道釧路、盛岡、静岡、千葉県柏、埼玉県川越などに勤務、2002年に定年退職。 元日本ペンクラブ会員、元FM甲府コメンテーター。 現在、著述業。シナリオも描く。ほんの僅かだが、葡萄栽培もしている。勝沼町在住。 著書 「黒い選挙の構図─ドキュメント無投票工作事件」 「バカで結構なんです」 「野次馬記者の嫌われる理由」 「ええからかん人生」 「シナリオ・選挙参謀」 などがある。
「シナリオは映画やテレビドラマの設計図である。従ってシナリオだけが、ひとつの読み物として世に出ることはない。私がシナリオ修業のために通っている東京・北青山にあるシナリオ・センターの後藤千津子所長は『シナリオは出版してみんなに読んでもらうことが目的ではなく、最終目的は映像化されることです』と言う。しかし、私はシナリオ修業をしているうちに『自分の考え方をシナリオという形式で伝えることがあっても良いのでは』と思うようになった。私が書くシナリオの多くは『社会派』と呼ばれるジャンルである。三十八年間の新聞記者経験と想像から絞り出したシナリオには家族模様とか、色恋沙汰とか、職場風景などは滅多に無い。SFと時代劇もない。その主な舞台は警察、裁判所、役所、新聞社などであり、登場人物は政治家、役人、刑事、弁護士、新聞記者、社会の裏や底辺で生きる人……などである。暴力団も登場する。そんな登場人物が織りなす様々な生きざま模様は現代社会の断面であり縮図である。すでに他界したある著名な脚本家は『裏の裏は裏』と言ったが、そんな裏の裏も書いている。私は『シナリオ形式で今の社会、世間をズバッと斬った』と自負している。切り口が甘い部分もあるだろうが、それは私の社会を見る目と脚本を書く力の未熟さである。一部の読者には物足りなさがあるかも知れないが、お許し頂きたい。映像化されないシナリオがこんな形で世に出ることはなかったと思う。その意味で本書は『日本出版業界初の試み』と言っても良い。」(本書「プロローグ」より)【著者プロフィール】秋山 紀勝(あきやま・のりかつ)1942年(昭和17年)2月、山梨県甲州市勝沼町に生まれる。中央大学卒業。山梨日日新聞記者を経て、朝日新聞記者。東京本社社会部、福島県会津若松、北海道釧路、盛岡、静岡、千葉県柏、埼玉県川越などに勤務。2002年に定年退職。現在、著述・講師業。日本ペンクラブ会員。元FM甲府コメンテーター。著書に「黒い選挙の構図──ドキュメント無投票工作事件」「バカで結構なんです」「野次馬記者の嫌われる理由」「ええからかん人生」などがある。勝沼町在住。