著者 : 稲松三千野
不器用な愛不器用な愛
エレーヌは眠らなかった。ロイックを起こしては悪いと思い、できるだけ動かないようにした。時々足と膝でシーツを少し揺すり、途切れ途切れに鼻先に届く自分達の匂いをかいだ。そうやって小さな風が送られてくるたびに、ロイックの髪がふわりと持ち上がった。「匂い」と「肌触り」を感じる、不思議な恋愛小説。
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エレーヌは眠らなかった。ロイックを起こしては悪いと思い、できるだけ動かないようにした。時々足と膝でシーツを少し揺すり、途切れ途切れに鼻先に届く自分達の匂いをかいだ。そうやって小さな風が送られてくるたびに、ロイックの髪がふわりと持ち上がった。「匂い」と「肌触り」を感じる、不思議な恋愛小説。