著者 : 稲葉稔
天明の大飢饉で傾く藩財政立て直しを図る父が、藩主の怒りを買い暗殺された。幼き彦蔵は追われながら、藩への復讐を誓う。苦難や挫折を乗り越えながら、江戸へ赴く彦蔵はーー。書き下ろし時代小説、第1弾!
馴染みの店で呑んでいた新兵衛は、陰鬱な男・次郎左から助働きを懇願される。水路普請について苦情を言う町人を説得する手助けをして欲しいというのだ。礼金目当てに引き受けるが、そこには普請に関わる深い闇が潜んでいた…。賊と誤り父を斬り、江戸へ逃れて来た男・宇兵衛。水茶屋から逃げ出してきた妖艶な娘・お末。事件、そして彼らとの関わりの中で、新兵衛は自分の生き方を見つめ直すこととなるー。人気シリーズ第5弾。
浅草裏を歩いていた曾路里新兵衛は、畑を耕す見慣れない男を目に留めた。その男の動きは、百姓のそれではない。立ち去ろうとした新兵衛はその男に呼び止められ、なんと敵討ちの立ち会いを引き受けることに。
将軍家定のため、数々の国難を救ってきた不知火隼人を目の敵にする反・家定勢力が、ついに隼人を抹殺せんと動き出した。「そなたは上さまの兄上。命を狙われておる」-大奥年寄・歌橋の告白に驚愕する隼人。実弟である家定より葵の脇差を、歌橋からは南蛮渡来の鏡を形見に授けられ、江戸を去るよう忠告されるが、刺客は背後に追っていた。白熱のシリーズ第四弾。書き下ろし長編時代小説。
夏の盛りを過ぎ、朝晩には冷え込むようになった時節。曾路里新兵衛が「とんぼ屋」で燗の酒を愉しみながら女主のお加代と昔話をしていると、バタバタと升五郎が飛び込んできた。江戸を追放された暴れん坊・双三郎が帰ってきたというのだ。新兵衛は岡っ引きの伝七から双三郎の見張りを頼まれるが、彼が戻ってきたのには、ある深い事情があったのだった…。新兵衛が秘剣「酔眼の剣」を使い悪を斬る、大人気シリーズ第3弾。
暑気の強まる江戸の町。いつものように真っ昼間から酒を飲んでいた浪人・曾路里新兵衛は、岡っ引きの伝七から、とにかく来て欲しいと頼まれる。暴れている女やくざを何とかしてくれというのだ。紙問屋の帳場に居座り、片肌脱ぎで威勢よく啖呵を切る女から事情を聞くと、妹を襲った男を捜しているという。情に厚い新兵衛は暴漢捜しを手伝うことにするが…。酔うと冴え渡る「酔眼の剣」を使い悪を討つ、人気シリーズ第2弾。
浅草の蛇骨長屋に住む浪人・曾路里新兵衛は、酒がなくては生きてはゆけぬ、というほど無類の酒好き。仲間の不祥事により改易になって以来、何ものにも縛られない気ままな暮らしを楽しんでいた。だがある日、ついに生計が立たなくなり、やむなく岡っ引きの伝七に依頼された辻斬り事件の探索を引き受ける。実はこの新兵衛、酔うと剣技が冴え渡る「酔眼の剣」の使い手だった!人気著者が放つ、書き下ろし新シリーズ第1弾。
囚獄・石出帯刀の命により死罪を免れ、ひそかに悪を斬ってきた佐久間音次郎。だが、音次郎の身辺を探る者が現れた。音次郎の名を知りたがり、東軍流の遣い手であることを見破った凄腕の浪人は、ついには仲間を引き連れ、きぬをさらっていく。囚獄からの連絡も途絶え、孤立無援のなか、音次郎は多勢を相手に、愛しいきぬを救えるのか…。
妻子を殺した下手人を誤って斬った罪で囚われた佐久間音次郎は、死罪のかわりに、極悪非道の輩を成敗する役目を言い渡される。標的は、極悪人・漁り火の権佐。追い詰める音次郎、逃げる権佐…。音次郎は権佐を仕留めることができるのか。