著者 : 稲見一良
失踪した猟犬探しを生業とする探偵・竜門卓の事務所に、盲導犬の行方を突き止めてほしいという仕事が舞い込んだ。依頼者は資産家の令嬢。相棒の猟犬ジョーとともに調査を進めるうちに、薄幸な、ひとりの目の不自由な少女のもとに行きつくが…。胸を打つラストシーンが待つ表題作を始め、限りなく優しく誇り高い男たちの人間模様を描き出す永遠の感動作!
“竜門猟犬探偵舎”に奇妙な依頼が舞いこんだ。動物プロダクションから傷ついた一頭のトナカイとともに一人の少年が失踪、その行方を追ってほしいというものだった。竜門卓は相棒の猟犬ジョーを連れ、その臭跡を辿りながら有馬の山中へと分け入るが…(「トカチン、カラチン」)。心優しきアウトローたち。自らの信念に従い行動する男の美学。感動の連作短編集。
失踪した猟犬捜しを生業とするアウトロー探偵・竜門卓の事務所に、盲導犬の行方をつきとめる仕事が舞いこんだ。相棒の猟犬ジョーとともに調査を進めるうちに、薄幸な、ひとりの目の不自由な少女のもとに行きつくが、やがて…(表題作)。限りなく優しい誇り高い男たちの人間模様を、無駄のない文体とハードボイルド・タッチで描いた、感動を呼ぶ珠玉の作品集。
失踪した猟犬探しを専門とするアウトロー探偵・竜門卓。相棒の猟犬ジョーとともに、北大阪の山林の丸太小屋に事務所を構える。犬探しの依頼が、数々の事件を巻き起こしていくー。野性、狩猟、そして男の生き方と友情を綴った、ちょっと泣かせるハートウォーミングな連作短編4編。惜しまれつつ逝った“永遠の不良老人”作家の遺作にして、ハードボイルドのひとつの到達点である。
都会暮らしからレイドバックして、大阪西北端の山林に暮らす竜門卓。彼の生業は行方不明になった猟犬を探すことだった。そんな彼のところへ失踪した盲導犬の行方を突き止める仕事が舞い込んだ。依頼者は名家の令嬢。目の不自由な彼女にとって唯一の心の支えだった犬だ…感動的なラストシーンが用意された表題作はじめ、“男の贈り物”をテーマにした五編を収める短編小説集。
心優しきアウトローたちの溜り場だったフローティング・ホテル〈シリウス号〉。経営難から悪辣なギャングたちに買取られる当日、船はひそかに朝まだきの海を出航した…。ささくれだった現実を振り捨ててクルーとなった奇妙な仲間たち。追いすがるギャング、迫りくる嵐。黄金のありかを捜し求めて、〈シリウス号〉は今日もゆく-。大人の童心をくすぐる痛快無比の冒険譚。
シャクリと呼ばれるポンプ・アクション6連発銃、ウインチェスター・M12。その銃を手にした男たちのそれぞれの生き方ー。自分の射撃スタイルに最後まで固執した選手、一人前の男として生きる姿勢を身をもって息子に教えた父、悪徳養豚業者と闘う陽気なマスター、スパイらしき男と闘争を余儀なくされた老人。銃が人手を巡り、生みだされた四つの切ない物語。ハードボイルド連作短編。