著者 : 竹内真
直原高校の図書室で働く詩織は将来を見据え、司書資格を取るための勉強をはじめた。だが、常連の生徒が家出したらしいと相談を受けたり、チャーシュー論争の解決に講演会を企画したりと慌ただしい。図書委員が文化祭でビブリオバトルをやろうと盛り上がる一方で、詩織自身の雇用契約の期限が迫ってきてーハートフル・ブックストーリー第3弾!ちなみに「バシラドール」とはーノーベル賞作家スタインベックの造語『目的地に急ぐより旅そのものを楽しむ人』のこと。
十年ぶりに再会した大学の演劇サークルの仲間たち。レッド、ブルー、イエロー、グリーン、ピンクー五人はかつて「ラフレンジャー」という戦隊ヒーローとして学内外で活躍した。レッドの提案で廃墟のショッピングモールに結集し、久しぶりにラフレンジャーのムービーを撮ろうというのだ。だが、撮影中に突然爆発が発生。どうやら最近世間を騒がせている「ブラック×ハンター」というテログループが、次のテナントとして入居が決まっているブラック企業を狙って仕掛けたものらしい。こっそり忍びこんで撮影していたので警察に届けることもできない五人。とはいえ、かつて正義を名乗って活動していただけに見過ごすこともできない。かくして、ラフレンジャーは再び立ち上がり、ブラック×ハンターに敢然と戦いを挑むのであった。
有人と風香は吹奏楽部でアルトサックスを吹く恋人同士。高校でも共に全国を目指そうと、名門・旺華高校を揃って受験した。だが、有人がまさかの不合格。吹奏楽部がない羽修館学園に入学し、人数集めからスタートする羽目に…。一方、風香は全国大会金賞常連の名門の洗礼を入学早々に浴びてしまうー。前途多難な恋と吹奏楽への情熱をハートフルにユーモラスに奏でた青春組曲。
資格を持たない“なんちゃって司書”として直原高校の図書室で働く詩織。サンタクロースは実在するのか?伝説の酒飲み小原庄助の正体は?オザケンの幻の本『うさぎ!』とは?村上春樹とスヌーピーの関係は?などなど、今日も難問珍問が生徒たちから持ちこまれる。はたして、怠け者のキリギリスは2年目の春を迎えることができるのか!?恋の気配と共に綴られる、ハートフルブックストーリー第2弾。
バツイチになったのを機に、資格を持たない“なんちゃって司書”として高校の図書室で働きはじめた詩織。慣れない仕事に戸惑うものの、生徒たちと本の橋渡しをしたり、謎めいた本の来歴を調べたりするうちに、次第に学校司書の仕事にやりがいを覚えるようになる。-自分の道を歩きはじめる女性と、読書を通して世界を広げていく高校生たちの姿が爽やかな感動を呼ぶ、ハートフルブックストーリー。
高校一年生の甲町源太郎が拾った一匹の子犬。ワンダーと名づけられたその犬を学校で飼うために、甲町はワンゲル部に入り、頭の固い先生たちを相手に大奮闘を演じる。三年後、千草由貴はワンダーの自由のために初めてのクライミングに挑んだ。六年後、教育実習生として高校に帰ってきた甲町。彼らのそばにはいつも、茶色くて人懐っこい犬がいた。少年と少女と犬の十年間を描いた極上の成長小説。
そう、そろそろ桜が満開という頃だった。大学受験に失敗した僕は、予備校の特待生試験にはなぜか合格し、桜花寮に住むことになった。入寮式の日、これから共に勉強漬けの一年を過ごす(はずの)リュータやヨージと出会った。そして十年後、「リュータが死んだ」という噂を聞いた僕はー。青春の背中を追いかけていた浪人時代と現実を懸命に生きる今を重ねて描く、永遠の友情小説。
あの日、僕は、親友の草太、伸男と、自転車で走り始めた。生まれ育った南房総の風ケ丘から、目指すは大都会・東京。新世界への旅立ちだ。喜びや挫折を味わいながら、僕らは夢に向け、ペダルをひたすら漕ぎ続けた。仲間と、東京から日本海を目指す自転車ラリーを完走した。もちろん素敵な恋もした。単行本版『自転車少年記』の構想を元に新たに書き下ろされた、爽快無比の成長小説。
人は死ぬものなのだと知ったのは、カレーライスを食べた後だった。その死が僕とカレーを結びつけ、もう一つの死が僕の背中を押した。長く奇妙なその旅に、僕の平穏な生活は丸ごとのみ込まれていった。それでも僕は、カレーライスが大好きだ。カレーライスを作る時、無闇やたらと幸せな気分になることがある。僕らみんなが、何か大きなものに包まれているような気がするのだ。史上初、大盛カレー小説!富士・米国・印度・琉球を縦横無尽、ボリューム満点1300枚。