著者 : 竹吉優輔
復讐するのも、復讐されるのも、僕にしかできないーー。 『襲名犯』で第59回江戸川乱歩賞を受賞し鮮烈デビューを果たした竹吉優輔、8年ぶりの新作! 私立恵堂学園に通う和泉七生は、2年生から特進クラスに編入を果たした。友人もでき、新しいクラスでもつつましく学園生活を送っていたが、ある日黒板に謎のQRコードが現れる。読み込むと、「ギン」という謎の人物による、櫛屋すみれへの過去のいじめを告発するという脅迫動画が映し出された。 告発までの期間は約1か月。だが、同時にいじめに関するクイズも出題される。 唯一の部外者である七生は探偵役を任命されるが、自分の過去の罪の意識から、復讐と贖罪の間でさまよい始めるーー デビュー作『襲名犯』で不条理と再生を描いた乱歩賞作家の復活長編!
「レミングは自殺しない。集団で移動して、海や川を渡るんだ。必死で……新天地に向かうために」。計画の先に辿り着く。必ず、全員でーー。誰の心にもある、中学時代の甘く、苦く、切ない思い出。江戸川乱歩賞受賞作家が、読む者の心の奥を揺さぶる。映画化もされた青春群像劇。ミステリアスな事件の結末とは? 夏の始まり 第一章 二〇一〇年七月 第二章 レミングスの夏 第三章 悪魔の真贋 第四章 死地と新天地 エピローグ 木陰
ホームセンター「ユアセルフ」内のペットショップでアルバイトをしている大学生・学人。同期バイトで動物マニアの幸多や、ふたりの教育係で社員の柏木とともに、日々楽しく働いている。ある日、店の常連である小学生・瑠璃の元気がないことに気づいた学人と幸多。瑠璃の笑顔を引き出すために、事務所でお休み中のルリコンゴウインコ、ルリちゃんを売り場にこっそり連れ出す。同じ名前を持つルリちゃんのことを、瑠璃はとても可愛がっていたのだ。しかしルリちゃんは、瑠璃の目の前でとんでもない言葉を言い放ちー。動物愛にあふれる連作コージーミステリ。
関東の地方都市で起きた連続猟奇殺人事件。ルイス・キャロルの詩に関連して、ネットの住人から「ブージャム」と英雄視された犯人は、6人を殺害した後、死刑が執行された。事件から14年後。突如として同じ手口の犯行が始まった。小指を切り取られた女性の惨殺体。「ブージャム」を名乗る血塗られた落書き。かつての被害者、南條信の双子の弟、南條仁のもとへ「襲名犯」からのメッセージが届けられる…。 関東の地方都市で起きた連続猟奇殺人事件。ルイス・キャロルの詩を下敷きにしたかのような犯行から「ブージャム」と呼ばれた犯人は、6人を殺害した後、逮捕される。容姿端麗、取り調べにも多くを語らず、彼を英雄視する熱狂的な信奉者も生まれるが、ついに死刑が執行された。そしていま、第二の事件が始まる。小指を切り取られた女性の惨殺体。「ブージャム」を名乗る血塗られた落書き。14年前の最後の被害者、南條信の双子の弟、南條仁のもとへ「襲名犯」からのメッセージが届けられる……。 序 第一章 予兆 第二章 既視感 第三章 悪意 第四章 結末 エピローグ
江戸川乱歩賞受賞作家7名が放つ最強の競作アンソロジーが、乱歩賞60周年の2014年、文庫化! 七人のミステリ作家に届いた挑戦状。「テーマはデッド・オア・アライヴ、生死の危機。2013年9月7日正午、主要人物が帝国ホテルにいる短編ミステリーを執筆せよ」その場所は天国か地獄か、その選択は生か死か。彼らの出した珠玉の“答え”がここにある。 江戸川乱歩賞受賞作家7名が放つ最強の競作アンソロジーが、 乱歩賞60周年の2014年、文庫化! 七人の作家に届いた挑戦状。 「テーマはデッド・オア・アライヴ、生死の危機。 2013年9月7日正午、主要人物が帝国ホテルにいる短編ミステリーを執筆せよ」 その場所は天国か地獄か、その選択は生か死か。彼らの出した珠玉の「答え」がここにある。 薬丸岳「不惑」 とある事件が原因で13年間眠り続ける恋人をもつ窪田。彼は今日行われる結婚式で復讐を企てるが、同級生の夏目が違和感に気付く。夏目シリーズ最新作。 竹吉優輔「イーストウッドに助けはこない」 違法スレスレの街金で働くコージは、ヤクザの女に手を出した「そのスジ」の叔父を拉致してリンチする羽目になるが、ダメ叔父とコージには大切な思い出があった。 高野史緒「悪魔的暗示」 1918年、帝国ホテルで天才少年は米国スパイの会話を耳にする。各国スパイが血眼になって追う、滅亡したロシア・ロマノフ王朝の“秘宝”の行方は。 横関大「クイズ&ドリーム」 とある目的でホテルに泊まっている川尻の客室を突然訪れた、銀色の仮面をつけた男。彼は「負けたほうが謎のカプセルを飲む」ルールのクイズゲームを強要する。 遠藤武文「平和への祈り」 ケセランパサランを追いかけた先の公園で、ミステリー作家・“遠藤武文”はミカエルを名乗る天使に出会う。自分の肩に世界の滅亡がかかっているとしった作家は……。 翔田寛「墓石の呼ぶ声」 雨宮勇吉は、9月頭の7日間を必ずホテルで過ごす常連客だ。ホテルマンが聞いた彼の過去と、墓石に刻まれた秘密とは。 鏑木蓮「水の泡〜死を受けいれるまで〜」 ナノバブルと呼ばれる微細な気泡を作る技術で会社を興した凜子。会社は大きくなったが、婿養子の夫には愛想が尽きた。一人酒を楽しむ夜、急に体中をしびれが襲い……。 薬丸 岳「不惑」 竹吉優輔「イーストウッドに助けはこない」 高野史緒「悪魔的暗示(Наваждение)」 横関 大「クイズ&ドリーム」 遠藤武文「平和への祈り」 翔田 寛「墓石の呼ぶ声」 鏑木 蓮「水の泡〜死を受けいれるまで〜」