著者 : 竹生淑子
ジュリーが秘書を務める教授が退官することになり、新しいボスとして、世界的権威のオランダ人医師シモンがやってきた。女性なら誰もが夢みる長身で魅力的な姿にときめくジュリーだったが、彼は仕事に一途で何かにつけ厳しい態度で接してくる。その冷たさと、たまに見せる笑顔との落差に戸惑いながらも、ボスの要求に応えようと、ジュリーは懸命に働いた。あるとき、オランダ出張への同行を命じられた彼女は、不安と同時に密かな喜びを感じた。ボスと二人きりになるなんて!ところがそこで、彼が若い女性を抱き寄せるのを目撃してしまい、ジュリーの淡い恋心ははかなく散るのだった…。
ヨーロッパでレーサーとして活躍するキャメロンのもとに、養父レイが危篤との報が入る。メリーランド州の小さな町の病院で待っていたのは、同じくレイに育てられた義理の弟イーサンとフィリップ、そしてセスという見知らぬ十歳の少年だった。レイは死の床で三兄弟にセスを託し、世を去る。父との約束を果たすため、キャメロンはセスと暮し始めるが、苦手な家事に悪戦苦闘し、少年ともうまくいかない。そこに現れたのは、魅力的だが手強いソーシャルワーカー、アンナだった。真実の愛と絆を描く、感動の三部作第一弾!
ヨーロッパに渡って画家として成功したセスは、数年ぶりに懐かしいセントクリストファーの町に帰ってきた。帰ってくるについては深刻な理由があったが、それは愛する家族にも言えないものだった。彼は町にできた花屋で店主のドルーと知り合い、その魅力に惹かれる。彼女はワシントンの上流社会に育ったが、婚約者の裏切りに遭って傷ついた女性だった。セスは彼女の絵を描きたいと思い、男性に警戒心をいだくドルーに積極的な誘いをかける…。成長したセスの物語、読者の要望に応えて刊行。
忍び寄るピューマ、襲いかかるワシ、そして疾走する馬ー内気な高校生ダンが唯一心を開く相手は、部屋に飾ったポスターや剥製の動物たちだった。無理解な父親から獣医になる夢を禁じられ、学校では校長の息子として特別な目で見られる。そんな彼の鬱屈した心を動物たちは慰めてくれた。だが、町に連続殺人鬼が現われ、その魔手がダンに伸びたとき、突然闇の中から不思議な影が!正統派ホラーの流れをくむ著者が、思春期の少年の幻想が悪夢の世界を鮮烈に描く。
突然それは襲ってきた。海水浴中の教師チャイルズは、一瞬のうちに血の臭いに包まれ、恐ろしい光景を目にした。それが発端だった。その日から、予期せぬ時に幻影が見えるようになったのだ。それも、吐き気をもよおすような連続殺人の現場ばかりだ。まるで犯人と同化し、犯人の目を通して見ているように…。やがて狂気の殺人鬼は彼の存在を察知し、彼が勤める女子校に魔を手をのばしてきた。自ら望まぬ超能力を持った男の悲劇を描く、ベストセラー作家の代表作。
妊娠は正常だった。お腹の子の父親とは別れることになったが、産まれてくる子の将来を思い、サマンサは充実した気持になっていた。この子のためにも自立しなければーだが、なんでもない睡眠実験の被験者となった時、異変が始まった。体調がくずれ、些細だが奇妙な事件がたびたび起こるのだ。お腹の子に、何かが起こっている…コンピュータ管理の総合医療センターで発生した想像を絶する怪事件の結末は?新鋭がサスペンスフルに描く、傑作メディカル・ホラー。
村はずれの呪われた土地で、長年住む人もなく、朽ちはてている石造りの屋敷ウィンターレスト。この屋敷に“よそ者”の買い手が現われてから、村では不思議なことがつぎつぎに起こりはじめた。人びとは幻の嵐や大地震や火事に戸惑い、若い女性は異常な妊娠におびえる。そんなある日、ウィンターレストから村の住民たちにティー・パーティの招待状が届けられ、地獄の家は恐怖の口を開けるのだった!-アメリカ・モダンホラーの第一人者がおくる戦慄のホラー長篇。