著者 : 篠たまき
月の淀む処月の淀む処
築40年のマンション・パートリア淀ヶ月に引っ越してきたフリーライターの紗季。ある日、敷地内で行われていた不気味な盆踊りに遭遇する。祭りに乱入した女が連行されるのを目撃した彼女は、隣の部屋に住む雑誌記者の真帆子と共に調査をはじめるが…。住人たちの持つ奇妙な風習、連続して起こる行方不明事件、徐々に明らかになる驚愕の事実とは…!?注目の気鋭による戦慄のホラーミステリー!
人喰観音人喰観音
分限者の薬種問屋に拾われた女、スイ。並外れて美しく豊饒な肉体を持つ彼女は、人の形をして人にあらざる「観音様」だった。-穀潰しの惣領息子と出戻りの老媼。-男を好む旦那様と忠節を尽くす石女。-姦淫された箱入り娘と不器量な妹。スイと因縁関わり合う男たち、女たちは、少しずつ、人倫を踏み外していく…。そして彼女自身も、奈落へ向けて堕ちていく。
やみ窓やみ窓
第10回『幽』文学賞短篇部門大賞受賞。くたびれた団地の窓の向こうから、かさり…かさり…と何かがやって来る。今夜も一瞬も気を抜けない闇の取り引きが始まるー。寄る辺ない“怖さ”を巧みに描いた受賞作の「やみ窓」をはじめ、書き下ろし3篇を加えた連作短篇集。
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