著者 : 篠森ゆりこ
彼女が「レシタティフ」を「実験」だと言うなら、本気でそれを意図しているのだ。その実験の被験者は読者であるーー 施設で同室になったトワイラとロバータは、白人と黒人の二人組で「塩と胡椒」と呼ばれていた。 月日が経ち、二人はダイナー、スーパー、デモ集会、レストランで四度再会する。 二人が共有する記憶と彼女たちについて、何が正しいのだろうか? ノーベル文学賞作家、トニ・モリスンが唯一書き残した実験小説。 大好評「I am I am I am」シリーズ第五弾。解説:ゼイディー・スミス 二人の少女はこの世の誰も知らないことを知ってたーー質問をしないこと。信じなきゃいけないことは信じること。 ずけずけと訊かずに広い心で接するのは、気遣いでもあった。 あなたのお母さんも病気? ううん、一晩中踊ってるの。 ふうんーーそして、わかった、といううなずき。(本文より) レシタティフ 「実はあの中にちゃんとした人間がいた」ゼイディー・スミス 訳者あとがき
喪失、孤独、ユーモア、優しさ…心の内に秘める思いが鋭く豊かに描かれた唯一無二の作家による珠玉の11編。13年ぶり最新短編集!これまでの優れた短編の作品群に対してPEN/マラマッド賞を受賞。ピューリッツァー賞、ストーリー賞、ロサンゼルス・タイムズ文学賞、マーク・トウェイン・アメリカン・ヴォイス・イン・リテラチャー賞の最終候補作。「ロサンゼルス・タイムズ」紙、「エスクァイア」誌、「ヴァルチャー」誌、米国公共ラジオ放送などで年間ベストブックに選出!
13歳のアニエスは作家として華々しくデビューするが、本当の作者は親友のファビエンヌ。小説を書くという二人の「遊び」は、周囲を巻き込み思わぬ方向にー。2023年度PEN/フォークナー賞受賞作。
あなたはたくさんのことを知らなかった。私の妊娠も、私たちの娘の誕生も、そして娘の自死も。リリアは81歳。三番目の夫も亡くなり、高齢者施設暮らし。喪失感を抱えながら果敢に人生を進むー。かつて愛した男性の日記を繰りつつ、冴え渡る毒舌を織り交ぜ語る物語とは。
16歳の息子が自殺した。もう存在しない子供との対話を続ける母ー底なしの喪失感を実体験に基づいて描く衝撃作。PEN/ジーン・スタイン賞受賞。PEN/フォークナー賞最終候補作。
鉄道橋の脱線事故で、列車とともに湖に沈んでしまった父親。これをきっかけに平凡な家族の歯車は世代を越えて狂っていくー拠り所となる家(ハウス)の喪失の悲しみを、息をのむような美しい自然描写が静かに包む傑作。ピューリッツァー賞、全米批評家協会賞など数々の賞に輝き、オバマ前大統領も愛する、アメリカ現代文学を代表する作家の記念碑的名作。PEN/ヘミングウェイ賞受賞。
代理母問題を扱った衝撃の話題作「獄」、心を閉ざした四十代の女性の追憶「優しさ」、愛と孤独を静かに描く表題作など、いずれも現代中国のさまざまな社会問題を背景に、深い失望や喪失に苦しむ人々の心もようが切々と伝わる珠玉の短篇九篇。この一冊でリーは「短篇の名手」としての名声を確立した。O・ヘンリー賞受賞作二篇収録。
一人の女子大生が毒を飲んだ。自殺か、他殺か、あるいは事故なのか。事件に関わった当時高校生の三人の若者は、その後の長い人生を毒に少しずつ冒されるように壊されていくー凍えるような孤独と温かな優しさを同時に秘めたイーユン・リーの新作長編。