著者 : 結城絡繰
俺は死んだ…はずだったが、気がついたら謎の空間で美女を前にしていた。「とりあえずこれを回すから、適当なタイミングでストップって言ってねー」そう言って美女は、手でルーレットを回転させた。「ス、ストップ…」停止した矢印が指していたのは、とんでもなく狭い範囲に設定された区画。そこには小さく“ウイルス”と記載されていた。そして、気がついたら…ネズミの意識を乗っ取っていてー!感染を繰り返しスキルを手に入れ生き延びる!リデビュー小説賞受賞作が登場!
王都を陥落し、魔王としての脅威をしめしたドワイト。だがその侵略戦争の勢いをとめることはない。すべては世界に平和をもたらすため。そんななか、エルフの里より人間の進攻からの守護依頼がとどく。そしてその先で出会う生前の因縁。順調に勢力を広げるドワイトたち新魔王軍だったが、しかし世界はその最強を許さず次なる刺客を送り出す。世界は魔王の存在をゆるさず、勇者という力をひとつの人間に宿す。では、それを迎え撃つドワイトの信念ははたして正義なのか悪なのか。その答えは正義と悪が交わした剣の先に委ねられた。
武道を極め、己の力と技のみで任務を遂行してきた老暗殺者のリ・ウェイロンは、血湧き肉躍るような戦いができない惰弱な世界に失望を抱きながら天寿を全うして死んだ。しかし女神にその圧倒的な力を見込まれた彼は、異世界転生と共に魔王討伐の依頼を与えられる。そしてこの依頼に対する報酬は、彼の肉体を若返らせて“全盛期の頃の肉体”を与えるというものだった。やがて魔王と対峙し、これこそが渇望していた命と矜持を賭けた「死合い」だと悟ったウェイロンは、若返ったその肉体を思う存分躍動させる!
勇者と共に魔王を討伐した賢者ドワイト。世界に平和をもたらしたはずの彼らは、次代の魔王になるつもりだという疑いをかけられ、死者の谷へと突き落とされて命を落とす。それから十年後。肉の身体を失ったドワイトはスケルトンとなり、谷底でひっそりと生き永らえていた。深い後悔に苛まれる彼は、勇者の亡骸を抱いて自問自答する。そして、一つの結論に達した。「間違っているのは世界だ。私が否定しなければ」決心したドワイトは、死者の谷の瘴気を喰らい尽くした。彼はかつての魔王を凌駕する存在となり、無数のアンデッドを率いて地上を目指す。すべては真の世界平和のため。-最強の力を得た不死の王は、人類を相手に戦争を始めるのであった。