著者 : 聖龍人
ふらりと江戸にあらわれて米問屋に居候し、市井の暮らしを謳歌する謎の娘と深編笠の侍ー。なにを隠そうこのふたりこそ、現将軍・徳川家重とその腹心の部下で、切れ者として知られる大岡兵庫であった。だが、将軍であるはずの、このあおいと名乗る娘、どこからどう見ても女性…。じつは徳川家重、女であることをひた隠し、天下を治めているというまこと数奇な上さまなのである。あおいと兵庫は、南町奉行所同心・弓川心十郎とともに、町場のさまざまな事件にかかわっていくのだが…。『ぼんくら同心と徳川の姫』を継ぐ、痛快時代シリーズ・第二弾!
十九歳の駒桜丈太郎は父から北町奉行所定町廻り同心の席を譲られ、今日は初出仕の日。途中で会った御用聞きの利助に連れられ本石町二丁目の辻売り絵草紙屋(瓦版屋)おろち屋に寄った。おろち屋の人たちは、父の探索の手伝いもしていたという。その日、丈太郎は、出仕を忘れる程の、世にも奇妙な事件に出会うことになって…。
下総稲月藩三万五千石の若殿・千太郎君は将軍家御三卿田安家ゆかりの由布姫との祝言を前に藩邸を夜逃げ。やがて若殿と姫は山之宿の弥市親分を助けて江戸の難事件解決に努力していた。そんな折、ふたりにイヌワシという刺客が放たれ、国許の稲月城下では若殿廃嫡の陰謀が…。久しぶりに城下に戻った若殿と姫は…。
将軍家斉の落とし胤ながら本所の料理屋に居候をする若さま、日之本源九郎の前に、救いを求める若い娘が現れた。話題の人気占い師、鬼連坊の許から友達を救い出して欲しいという。鬼連坊は「千里眼」を授けると称し、廃寺に道場を造り弟子を集めていた。強引に寄付を集めていると聞き、入門者を装って道場に潜入する源九郎。だが凄腕の用心棒が立ちふさがって…。
下総稲月藩三万五千石の若殿・千太郎君は御三卿田安家ゆかりの由布姫との祝言を前に藩邸を夜逃げ。骨董目利きの才と剣の腕で、江戸の難事件に挑む山之宿の弥市親分を助けている。この日、弥市親分に若い女が追いすがり、盗人稼業から逃げたいので助けてほしいという。かわりに大泥棒の日記を土産にするとも…。
「将軍家の松姫様が日光へ代参される。事前に現地を探索せよ」という父・稲月三万五千石の藩主からの密命が、藩邸を夜逃げした若殿・千太郎君に届いた。許嫁の田安家ゆかりの由布姫、山之宿の弥市親分と若殿は、日光への道中で奇妙な男を助けたのだが、これが日光奉行所と宇都宮藩が絡む怪事件の幕開けだった。
夜の神田神保小路。黒装束たちが、伊予松山の琴姫の駕籠を襲った。だが間一髪、現れたのは見目麗しき若侍、家斉公の落とし胤日之本源九郎だった。目にも止まらぬ剣捌きで、賊を蹴散らすと、何と、お家騒動が起きている四国今治に同行することに。敵は騒動の証となる文を狙っているという。道中、迫る怪しき影。姫と若君の運命はいかに!?痛快!旅情活劇、開幕。
「火事と喧嘩は江戸の花」と申しましても、喧嘩をうまく治めるのは難儀なこと。まして侍と棒手振りの一戦となればなおのこと。そんな派手な喧嘩を見事治めてみせたのが、日之本源九郎と名乗る謎の若さま。すると今度は喧嘩の片割れ棒手振り仙太を手下に、女や子供を拐かす悪人退治にいざ出陣。結果やいかに?愉快、痛快、奇々怪々の若さま活劇、まずはご覧あれ。
妾腹の子ゆえ、剣の腕も立ちながら家督を継ぐこともかなわず、無頼の日々を送っていた八坂鏡之介だが、ある日、大目付から、上方より江戸に下ってきた盗賊一味を捕縛するための隠密を依頼される。日常生活に飽いていた鏡之介は喜んでこれを引き受けるのだが…。表向きは白着流しの八卦観として情報集めに専念しながら、異相の岡っ引き・伊佐吉親分と一緒に、米問屋の金蔵から消えた金子、品川沖に漂う幽霊船、そして深川の太鼓橋に夜な夜な現れる辻斬りの謎に挑む。