著者 : 茂木健
太陽系を巻きこんだ大戦争から数百年。宇宙への脱出を夢見て時間膨張爆弾の殻の買い手を探しているジャンク掘りの少年、それ自体がひとつの街のような移動隊商宿で旅をつづける少年、そして砂漠の巨大都市の片隅で古びた見慣れぬロボットと出会った女性。彼らの運命がひとつにより合わさるとき、かつて一夜にしてひとつの都市を滅ぼしたことのある戦闘ロボットが、長い眠りから目覚めて…。世界幻想文学大賞作家が贈る、どこか懐かしい未来の、ふしぎなSF物語。
目覚めると、世界は虚空に浮かぶ小島になっていた!しかも人びとはみな記憶を失い、なぜこうなったのかも、自分自身が何者なのかもわからない。唯一の手がかりである謎の地図を頼りに、フォーラーは世界の縁から飛び出し、見わたすかぎりの青空の中を落下してゆく。この下にもあるはずの別の島々を、そして世界激変の謎を解く鍵を目指して…ヒューゴー賞作家の傑作冒険SF!
フォーラーが落ちていった先にはたしかに別の島々があった。だがそこでの思いがけない人々との出会いで、世界の謎はさらに深まってゆく。一方ピーターの世界は、戦争と生物兵器による疫病で壊滅の淵にあった。それらすべてを解決するピーターの夢の新技術はしかし、途方もない事態を招く…。世界激変、自らの過去、フォーラーたちはすべての答を求め、空中世界を落ちてゆく!
新しい体で蘇ったクローンたちが最初に目にしたのは、自らの他殺死体ー2500人分の凍眠者と人格データを載せた恒星間移民船で、唯一目覚めていた乗組員6人が全員死亡。蘇った彼らは出発後25年間の記憶を消されていた。さらに船のAIもハックされ、クローン再生は不可能に。彼らは真相を調べ始めるが、実は全員が秘密を抱えており…。ヒューゴー賞、ネビュラ賞候補作。
新天地をめざす恒星間移民船内で起こった惨劇。かろうじてクローンとなり蘇った乗組員たちは、死ねば二度と復活できず、他人はもちろん自分自身さえ信用できない状況下、真相を探るべく協力を余儀なくされる。やがて彼らの過去から、クローン医学や記憶移植を用いた生命延長技術を巡る、数百年に及ぶ人間とクローンの対立が明らかに…キャンベル新人賞受賞の新鋭が放つ傑作!
少女の名はメラニー。大好きなジャスティノー先生と教室で会えるのを心待ちにして、独房で過ごしている。移動は車椅子。兵士に手足と首を厳重に固定されてー。人間の精神を失い、捕食本能だけで行動する“餓えた奴ら”によって滅亡の淵にある世界。メラニーのような奇跡の子供たちに希望を求め、研究が進められていたーその日までは。一気読み必至のエンターテインメント!
軍事基地から脱出し、70マイル以上離れた街ビーコンにある臨時政府を目指すことになった五人ー奇跡の少女メラニー、彼女を愛してやまない教師、科学者、軍曹と兵士。かれらが目にすることになるのは、荒廃したイギリスと、無数の“餓えた奴ら”だった。危機また危機の極限の旅路、そして待ち受ける衝撃のラスト。ページをめくる手が止まらない、圧巻のエンターテインメント!
ホテル“ウェイ・イン”は快適だ。広大な空間と最新の設備をもち、完璧なサービスを提供する。ビジネスマンのぼくは、大規模見本市でやや後ろめたい仕事をこなしながら、客室と会場を行き来する充実した三日間を過ごすはずだった。赤毛の女から、このホテルにまつわる奇妙な秘密を囁かれるまでは…。本邦初紹介の鬼才が、巨大建築物に潜む“魔”をかつてない筆致で描き上げた最新作。