著者 : 菅野昭正
偶然偶然
衰運にむかいつつある映画監督モゲルと青春の盛りに近づきつつある少女ナシマ。“帆船アザール=危険な夢”に我が身を賭けた男と少女を描いて、現代フランス最大の作家が、壮麗なる冒険の世界へ読者を誘う。洞窟で伝説となった男を描く予言的な中篇「アンゴリ・マーラ」所収。
不滅不滅
パリのプールサイド。見知らぬ女性、たわむれの手の仕草、多彩な色どりの風船を恋人めがけて投げたかのような。それを目にした「私」の心に、「アニェス」という名前が浮かんだ…。詩、小説論、文明批判、哲学的省察、伝記的記述、異質のテクストが混交する中を、軽やかに駆け抜けていくポリフォニックな物語。存在の不滅、魂の永遠性を巡る、愛の変奏曲。
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