小説むすび | 著者 : 落合どみ

著者 : 落合どみ

若き乙女の婚礼若き乙女の婚礼

愛なき“救世主”にめとられ、 若き花嫁は冷たい情熱に震えた。 オリアンは18歳にして叔父から金細工の店を任されているしっかり者。 けれども今、窮地に陥っていたーー店にあったはずの貴重品が消え、 帳簿の数字が何者かの手で書き換えられてしまったのだ。 しかも、従兄がオリアンの仕業だと声高に訴えはじめた。 かわいがってくれた叔父はならず者に襲われてこの世を去り、 彼女をかばう者は誰もいないと思われたが、たった一人だけ、 領主のサー・ユーアンが救いの手を差し伸べた。 彼はオリアンを妻にする代わりに、従兄を黙らせると約束した。 でも、これははたして救いなの? 彼は唇を奪い、こう言い放ったのだ。 「両親が望んでいる孫を産んでくれれば、きみの愛など必要ない」 ひたむきな乙女を妻に迎えたいと言いながらも、そこに愛は介在しない、と冷淡な態度をとるユーアン。一度は女子修道院に逃げこむオリアンですが、ふたたび領主館に連れ戻されてしまいます。若妻が初夜に怯えている気配を察知した夫がとった行動とはーー!

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