著者 : 藤原審爾
昭和水滸伝(上)昭和水滸伝(上)
友人を助けた代償に職を失った剣道の達人・石川義信は、娘・雪乃とともに岡山を離れ、各地を流れる。数年後、運良く倉敷の道場主の道が開けるが、彼を推挙したのは、義信に敗れて以来その生き方を改めた剣術家・前原一刀だった。その心持ちに打たれ、申し出を受けて一刀ともども青少年の教導に燃える義信。そんな石川道場には任侠に篤い男たちが次々と集まってくる!一方、雪乃は瀕死の男を偶然助ける。だが、道場にしばらく世話になることになったその男・政次郎は、雲龍の刺青を背負うやくざであった。誠を尽くし、正義に命を賭ける男たちを描く痛快長編。
昭和水滸伝(下)昭和水滸伝(下)
凶悪な強盗団・鉤手の所業を阻止するべく、娘婿となったやくざの政次郎や道場の面々と立ち向かった義信。その指導力を見込まれ、県知事から児島湾埋め立て事業の監督を依頼される。囚人たちに世のためになる仕事をさせることで、人間らしく生きる喜びを教えたいと考える義信は、天命と悟り、これを受ける。やがて石川道場および政次郎率いる中川一家の連中も参加しての一大事業が始まるが、工事の横取りを狙う土建業・相川組や道場に遺恨を抱く輩がたちはだかって…。男たちは最後まで正義を貫くことができるのか?大正から昭和を描いた任侠小説。
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